| PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

着物トレーダーを卒業せよ 陳満咲杜の為替の真実

着物トレーダーを卒業せよ陳満咲杜の為替の真実
着物トレーダーを卒業せよ陳満咲杜の為替の真実
(2008/06/16)
陳 満咲杜 商品詳細を見る

満足度★★★

サブタイトルになっている“着物トレーダー”とは、
FX取引に殺到した日本の主婦層の投資家を指して、
一部海外のメディアで使われた呼称です。

従来のプロのロジックが通用しないことを揶揄しているようです。

「ミセス・ワタナベ」とも呼ばれることもあるようですから、
特殊な動きをする投資家集団として、それなりに影響力を
持ったということでしょうか。

さて本書は、着物トレーダーをイメージして表紙に配された
歌麿の浮世絵・「ビードロを吹く女」が非常に目を引きますが、
中身は、正統的なテクニカルトレードを解説する本です。

著者の陳 満咲杜(ちん まさと)さんの為替取引への鋭い視点と、
マーケットで生き残っていくために必須となる方法が、
冷静に語られています。

まえがきで、(以下、一部抜粋)

  「本書のロジックと手法を実践すれば、誰でも利益を出せると
  申し上げたいところですが、現実にはそのようなことは決してありません。
  ゼロサム・ゲームのサバイバルに対して、心の準備ができていなければ、
  FXと本書に手を出すべきではないことをお伝えしておきます。」

と述べられていることからも、分かるように、
本書では、FX取引の厳しさも誠実に伝えているので、
“FXは簡単に儲けられる”と夢見がちな人こそ、
本書を手にとってみるべきかもしれません。

なお、本書の約半分の文章は、陳さんのブログ記事を
流用しているようですから、興味がある方は先にブログをご覧になると、
本書のイメージがつかめることでしょう。

この本から何を活かすか?

陳さんは、時間のスパンを短期と中長期の2つに分け、
3×3=9マスの表を使って、マーケットの状況を客観的に把握することを
勧めています。

 

中長期ブル

中長期トレンドなし

中長期ベア

短期ブル

ストロング・バイ

買い・ストップ厳守

様子見

短期トレンドなし

押し目買いor
逆指値買い

相場を入念にチェック
取引しない

戻り売りor
逆指値で売り

短期ベア

様子見

売り・ストップ厳守

ストロング・セル


表を活用して、感情的な要素を取り除くということも、
マーケットで生き残っていくためには、有効な方法かもしれません。

 Miss a meal if you have to, but don't miss a book.  

| 投資やトレード、お金 | 06:18 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

ジム・ロジャーズ中国の時代

ジム・ロジャーズ中国の時代
ジム・ロジャーズ中国の時代
(2008/06/14)
ジム ロジャーズ 商品詳細を見る

満足度★★★

本書は、bestbookさんのブログで、半年くらい前に
原書が紹介されていて、読んでみようかなと思った本です。

私は、きっと林康史さんが、いつものように翻訳してくれるだろうと、
勝手に予想して、楽な道(日本語版)を待っていました。
(bestbookさんは、その後、日本語版も記事にされています)

本書は、言ってしまえば「中国株投資ガイドブック」です。

しかし、そこは冒険投資家として知られるジム・ロジャーズさん。

自らが、実際に中国を走破し肌で感じたことに、
投資家としての冷静な分析や、深い洞察を加えることで、
本書を単なる投資ガイド以上の「作品」に仕上げています。

  「ドルを売って元を買って、子供に中国語を学ばせ、
  商品を買おう。それから、自分自身経験や眼力を使って
  競争優位のある中国の新興ブランドを見つけよう。」

これが、ロジャーズさんの基本的なスタンスです。

巷では、中国の悪い面ばかりが強調されることが多いですが、
ロジャーズさんは、中国の長期的な見通しを固く信じています。

また、ロジャーズさんは、

  「この本は耳寄り情報のカタログではないし、
  推奨株のリストでもない。」

と書いていますが、
実際に本書で紹介される中国株銘柄リストには、
150近くの銘柄が掲載されています。

中国株に投資している人にとっては、馴染み深い銘柄も多いでしょう。

私も、実際に保有するものから、過去にお世話になったもの、
初めて見る銘柄まで、色々載っているな〜という印象でした。

私にとっては、投資家としてのロジャーズさんの視点を
学ぶという意味で勉強になる本でした。

この本から何を活かすか?

中国株は時に暴騰し、時に暴落しながら、長期では上昇しています。

これは、誰にでも投資のチャンスがあり、
タイミングを誤ると、高値掴みする可能性があることを意味します。

私も中国株の活躍がなければ、セミリタイヤする時期が
もっともっと遅れていたはずです。

そこで、私自身は一時期より、だいぶ中国株への投資比率を下げていますが、
これから中国株と付き合う人向けに、
思いつくままに、いくつかTipsをまとめてみました。

  1.やはりQさん情報は重要。しかし、挙がった銘柄に即反応してはいけない。
  2.空のバスは何度も来る。あせって満員のバスに乗ってはいけない。
  3.間違っても、1銘柄に全力投球してはいけない。(売買停止は日常茶飯事)
  4.中国株だからこそ、ファンダメンタル分析は自分の手で徹底して行う。
  5.ドルコスト平均法が“長期では”、かなり有効に機能する。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.  

| 投資やトレード、お金 | 10:33 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

円安バブル崩壊

円安バブル崩壊―金融緩和政策の大失敗
円安バブル崩壊―金融緩和政策の大失敗
(2008/05/30)
野口 悠紀雄 商品詳細を見る

満足度★★★

本書は、野口悠紀雄さんが「週刊ダイヤモンド」に
連載していた「超整理日記」をまとめたものです。

タイトルは、「円安バブル」となっていますが、
この点について書かれているのは、最初の1・2章のみで、
3章以降は、税制、地方財政、年金制度など多岐にわたって
論じられています。

本書では、野口さんらしい、的を射た鋭い指摘が、
いろいろな制度についてなされています。

しかし、竹中平蔵さんが「闘う経済学」で書いていた、
理論と政策現場の違いや、それを実行する難しさを考えると、
野口さんの指摘についても、
「正しいけれども、実現は難しい」と思わざるを得ません。

また、メインとなる円安バブル論についても、
「本来であれば・・・」という指摘の、論理的根拠には十分納得できますが、
現実のマーケットでは、そうならないのが常とも言えます。

例えば、野口さんは、
「本来、日米の金利差が3%あれば、これは円高が進行することで
調整されるはずだが、為替介入により円高が阻止された」
と説明しています。

為替を決める要因は様々あり、介入がなかったとしても、
他の要因により、円高にならなかった可能性もあります。

私も、自分自身がFX取引を始める前は、野口さんの指摘通り、
金利差は円高によって調整されると思っていましたが、
実際に取引してみると、心理的な側面が為替に与える影響が大きく、
教科書通りになることは少ないというのが実感です。

ともあれ、実現は難しいと思いながらも、
繰り返し制度の矛盾点を指摘し続ける、野口さんの姿勢には
見習うべき点がありました。

この本から何を活かすか?

本書では、年金制度の問題点について指摘があります。

この問題ある制度を前にして、私たちが取る行動は、
次の3つのどれかになります。

  1. 年金制度を改革しようと働きかける
  2. 個人的に年金に頼らなくてもいい環境をつくる
  3. なにもしない

私が、今まで取ってきた行動は2番目ですが、
1番についても、少し考えた方が良いのかもしれませんね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.  

| 投資やトレード、お金 | 10:03 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

バリュー投資の強化書

バリュー投資の強化書~良いビジネスを安く買い、高く売るための分析手法~ (Modern Alchemists Series No. 61)
バリュー投資の強化書~良いビジネスを安く買い、高く売るための分析手法~ (Modern Alchemists Series No. 61)
(2008/05/16)
角山 智 商品詳細を見る

満足度★★★★

バリュー投資を「本気で」やりたい人には、
十分に応えてくれる一冊です。

著者は、バリュー投資系の個人投資家の間では
おなじみの角山智さん

  「良いビジネスを見つけて安い時に買い、
  みんなの気持ちが盛り上がった所で高く売る」

が本書のコンセプト。

ファンダメンタル分析だけで悦に入ってしまい、
売ることを全く考えないバリュー投資の本もありますが、
本書は違います。

もちろん、一番重要な貸借対照表の読み方や、
他の財務諸表の読み方には、丁寧な解説がなされていますが、
本書では、出口戦略のところまで、しっかり言及されています。

更には、新しい企業価値評価の方法から、
行動ファイナンスなどのフォローまで。

「どの株を買ったらいいの?」なんて軽い気持ちで聞こうものなら、
跳ね返されるようなマジメさが、本書にはあります。

それは、この本が、13年間にわたり角山さんが情熱を注いできた、
バリュー投資の集大成でもあるからです。

ですから、学びたいという気持ちさえあれば、
本書は良い師匠となって、あなたを鍛えてくれるはずです。

難解なことは書かれていませんが、400ページを超える大作なので、
本書を購入する人は、心してかかってください。

この本から何を活かすか?

  「今、買われて“いない”ものは何か?」

これは、角山さんが投資対象を見つけるための視点として、
常に持つように心がけている問いです。

マスコミをはじめ世間では、どうしても「買われて“いる”もの」
に注目が集まります。

だからこそ、これは株式投資に限らず、全ての投資、
あるいはビジネスやキャリア、日常生活の中でも
買われていないものを探す視点は、必要ではないでしょうか。

もちろん、買われていないものの中でも、
本当に価値あるものを見つけなければなりませんが、
私は、これが成功につながる一つの秘訣だと思います。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.  

| 投資やトレード、お金 | 10:34 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

市場リスク 暴落は必然か

市場リスク 暴落は必然か
市場リスク 暴落は必然か
(2008/05/22)
リチャード・ブックステーバー 商品詳細を見る

満足度★★★★

金融マーケットは、安定した方向に進んでいるのか?

これが本書の提起する問題ですが、
著者のリチャード・ブックステーバーさんの結論は、
「否」です。

金融技術が発達し、いろいろなシステムや金融商品が
次々と開発され、プラスの効果がもたらされた反面、
ある代償をともないました。

それは、「複雑性」という副産物。

そして政府は、市場の安定という名の元に「規制」を設けます。

これが、ますますマーケットを複雑なものにして、
リスクを増大させる結果につながります。

ブックステーバーさんは、MITの研究者からウォール街に
転身した経歴を持ち、本書では学者としての視点と、
トレーダーとしての視点の両方から、
マーケットとリスクの歴史を語ります。

ソロモン・ブラザーズの崩壊、LTCMの破綻、ヘッジファンドの台頭。

そして、金融市場を彩ったスターが登場します。

ジョン・メリウェザーさん、サンディ・ワイルさん、明神茂さん、
ジュリアン・ロバートソンさん、ジョン・リードさん、
ウォーレン・バフェットさん、チャーリー・マンガーさん・・・

  「突然の景気後退や天災が原因で、金融危機が発生することは
  ほとんどない。過去数十年間に起こった危機のほぼすべてが、
  金融市場そのものの複雑な構造に起因している」

私たちは、ブックステーバーさんのこの言葉を胸に刻み、
今後訪れるであろう金融危機に備えた方が良さそうです。

本書は、マーケットに興味がない人にとっては、450ページもある、
ただの分厚い本としか思えないかもしれませんが、
この手の本が好きな人には、面白く教訓に満ちた大作です。

この本から何を活かすか?

  「ゴキブリの教訓」

マーケットで大切なことは、大勝ちすることよりも、
長く生き残って、退場させられないことでしょう。

ブックステーバーさんは、下等なゴキブリが長い歴史の中で
生き延びてきたことに、リスク・マネジメントの教訓を見出します。

粗視的な行動が最適の戦略となる。

マーケットでの行動に限らず、「単純化」を意識して
リスクを減らすことを心掛けたいものです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.  

| 投資やトレード、お金 | 10:27 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

| PAGE-SELECT | NEXT