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ストーリーとしての競争戦略

ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件 (Hitotsubashi Business Review Books)
ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件 (Hitotsubashi Business Review Books)
(2010/04/23)
楠木 建 商品詳細を見る

満足度★★★★

戦略とは、違いをつくって、つなげること。

差別化と因果関係。

本書では、特に戦略の「つながり」について語られています。

強く、太く、長い「つながり」を持つ戦略とは、
「ストーリーがある戦略」。

テンプレートやフレームワークだけで作られた戦略は、
スマートに見えるかもしれませんが、
思わず人に話したくなうような魅力がありません。

著者の楠木建さんは、アクションリストに過ぎない
無味乾燥な戦略を「静止画」、
背景にストーリーを持つ戦略を「動画」として対比しながら、
本書で優れた戦略とは、いかなるものかを解き明かします。

ストーリーがある戦略は、戦略を構成する各要素が、
流れるように連動し、全体としてゴールに向かっていく。

そして、競争戦略をストーリー作りという観点で見ると、
これまでと違った景色が見えてくる。

本書は、2008年から「一橋ビジネスレビュー」で
2年近くにわたって連載された論文が元になっているようですが、
加筆・再構成され、本書自体が7幕ものの
1つのストーリーとして仕上げられています。

  「戦略はある程度の“長い話”でなくてはなりません」

楠木さんが、こう語るように、
本書は500ページもの長さの大作です。

読み始めるには、少し覚悟が必要な分厚さですが、
実際に読んでみると、次々と興味深い戦略事例が登場します。

日本の事例だけ、あるいは米国の事例だけと偏重せず、
マブチモーター、サウスウエスト航空、スターバックス、
アスクル、ベネッセ、アマゾンなど多くの企業の戦略例が
紹介されています。

本書は、じっくりと第1章から順を追って読み進める必要が
ありますから、短時間でポイントだけ知りたいというニーズには
答えてくれません。

しかし、だからこそ「ストーリー」の持つ魅力を伝えることができ、
この本自体がストーリーによって差別化されていることが分かります。

  「この本を通じて、自分で面白いと思えなかった話しは
  一切しなかったつもりです。」

楠木さんのこの言葉に偽りはありません。
時間をかけて読む価値のある一冊だと思います。

この本から何を活かすか?

アマゾンの「全品無料配送キャンペーン」が継続されています。
キャンペーン終了日は、現時点では未定のようですね。

このキャンペーン、ユーザーにとっては非常にありがたい話しで、
数百円の商品でも、私の住む北海道まで、 無料配送してくれます。
 
しかし、当然配送コストはかかりますから、
商品一つひとつで利益が出るとは考えられません。

アマゾンは、赤字覚悟で、いったい何をしようとしているのか?

一見、非常識に思えるこのキャンペーンも、
アマゾンが考える「ストーリー」という観点で
考えると、目指すものが見えてくるかもしれませんね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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