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実践!交渉学

実践!交渉学 いかに合意形成を図るか (ちくま新書)
実践!交渉学 いかに合意形成を図るか (ちくま新書)
(2010/04/07)
松浦 正浩 商品詳細を見る

満足度★★★★

本書のタイトルが、「交渉術」ではなく
「交渉学」になっていることに注目。

本書では、第1・2章が実用志向のいわゆる「交渉術」について。

第3章以降が、社会的合意形成を得る場合などの
「交渉学」について書かれています。

  「交渉学を学んでも、あなたが理想とする条件を
  勝ち取ることができないかもしれません。
  むしろ、交渉学を知ると、あなたの理想とする条件など、
  そもそも無理であることが自明になる可能性があります。」

このように、著者の松浦正浩さんが書いている通り、
本書には、相手をやりこめて、自分の条件を押し通すような
テクニックは紹介されていません。

交渉とは利害調整。

立場と利害を明確に区別し、利害のほうに着目することで、
互いの満足いく合意条件を見つけることを目標とします。

そのためには、相互利益となるWin/Winとなることが理想ですが、
実は、Win/Winにも「落とし穴」があると、松浦さんは指摘します。

それは、相互利益となっていても、
一方にとってはものすごい得で、もう一方にとっては
ほんの少しだけ得となる場合があること。

そんな場合でも、一応、Win/Winと呼ばれます。

  「Win/Winという名のもとで、
  ある種の搾取が行なわれているかも知れない
  という点に注意していただきたいと思います。」

また現実の交渉では、利害関係者が一対一とは限らず、
多数の異なる思惑や利害が渦巻くなかで、
交渉を進めなければならない場面があります。

というより、多者間交渉の場合の方が多いかもしれません。

ちょっとした町内会での話し合いでも、利害が衝突し、
合意形成していくのは難しいものですよね。

そういった一筋縄ではいかないような、
「マルチ・ステークホルダー」交渉についても、
本書では第3章以降で、進め方のヒントが紹介されています。

250ページ弱の新書ですが、かなり内容の濃い本でした。

この本から何を活かすか?

  「BATNAを認識する」

BATNAとはBest Alternative To a Negotiated Agreementの
頭文字をとって略したもの。「バトナ」と読みます。

これは、交渉が決裂したときの、最も良い対処策。

事前に自分のBATNAを認識しておくと、
交渉でBATNAより悪い条件で合意する合理性はないので、
交渉の最低ラインが決まります。

また心にも余裕ができ、条件の良いBATNAを知っていれば、
それが交渉力の強さにもなるようです。

ちなみに、自分のBATNAは絶対に相手に教えてはいけません。

私も今後、交渉の場面では、自分のBATNAを考えておくだけでなく、
相手のBATNAも探りながら、交渉をすすめたいと思います。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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