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コカ・コーラに学ぶ ビッグ・ウォレット戦略

コカ・コーラに学ぶ ビッグ・ウォレット戦略
コカ・コーラに学ぶ ビッグ・ウォレット戦略
(2010/02/05)
古谷 文太 商品詳細を見る

満足度★★★

合併や買収は経営リスクが大きい。
かといって業務提携では、あまり効果が期待できない。

合併買収でもなく、業務提携でもない第三の道はないのか?

この問いに答えるのが、
本書が示す「ビック・ウォレット戦略」です。

  「“ビック・ウォレット”とは、直訳すると“大きな財布”である。
  (中略)自分たちの小さな財布を持ち寄って、その外側に
  大きな財布を作って、大きな財布でガッチリ儲けよう。
  それをみんなで分け合ってハッピーになろうというのが、
  ビック・ウォレット戦略のイメージだ。」

「直訳すると」と聞くと、輸入された戦略のように聞こえますが、
実際は著者の古谷文太さんが考えたネーミング。

これは、日本コカ・コーラグループが実践し、
2005年から2008年の4年間で1000億円を越える成果を挙げた
血の通った戦略です。

コカ・コーラは、地域別フランチャイザーの独立性と
グループの規模の経済性といった相矛盾する経営課題を
この戦略によって克服しました。

古谷さんは、この戦略の実行にあたり、
財務・契約面の執行役員として活躍したようです。

この戦略のベースになっているのは、エリヤフ・ゴールドラット博士が
ザ・ゴール」の中で示した「制約理論(TOC)」。

TOCは、ある工場の中でボトルネックに注目し、
全体最適を図るものでしたが、
ビック・ウォレット戦略では、この理論を外側に延ばしたもの。

一つの企業の外側に、協業する企業の大きな財布を作ることで、
全体を最適化して利益を上げ、割り勘会計を行ないます。

ところで、コカ・コーラは特殊な形態をとりますが、
ビック・ウォレット戦略は、他の企業でも採用可能なのか?

いろいろな制約があり、簡単ではありませんが
もちろん他の企業で実践することも可能のようです。

古谷さんは、この戦略の活用の場として、
大胆にも飲料業界二位のサントリーと三位のキリンが
協業するケースを提案しています。

私にとっては、魚谷雅彦さんの本の影響もあり、
コカ・コーラはマーケティングの会社というイメージでしたが、
本書によって、また違う一面を見ることができました。

この本から何を活かすか?

私が本書で目を引いたのは、制約理論の応用の仕方。

単に違う分野で転用するのではなく、
外側にもう一つの枠を作り広げて使っています。

アイディアの発想法として、A・F・オズボーンさんの
「オズボーンのチェックリスト」がありますが、
こういった戦略立案においても、このリストが活用できるようですね。

ちなみに、このリストは次の9つです。

  1. 転用したら?
  2. 応用したら?
  3. 変更したら?
  4. 拡大したら?
  5. 縮小したら?
  6. 代用したら?
  7. 再利用したら?
  8. 逆転したら? 
  9. 結合したら?

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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