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なぜ人は市場に踊らされるのか?

なぜ人は市場に踊らされるのか?
なぜ人は市場に踊らされるのか?
(2010/02/25)
竹中 正治 商品詳細を見る

満足度★★★

今にも沈没しようとしている豪華客船。

救命ボートに殺到し、パニックになっている乗客にらに対し、
船員達は子供と婦人を優先するように誘導しなければなりません。

はたして、何と言えば、最も効果的に乗客を誘導することができるのか?

これは本書に掲載されていた小話です。

この小話では、各国別に次のように言うのが効果的だとか。

  対ドイツ人 : 「法律でそのように決められております。
  対アメリカ人 : 「そうすればあなたは英雄になれますよ。」
  対イタリア人 : 「そうすればあなたは女性にもてますよ。」
  対日本人 : 「みなさん、そうされています。」

まさに、横並び好きな日本人の特性を表した小話しですね。

本書の著者・竹中正治さんは、「みなさん、そうされていますよ」の
呪縛から目を覚ますことの重要性を語っています。

本書は、「なぜ、人は市場に踊らさせるのか?」と問い、
理由を解き明かすようなタイトルになっていますが、
内容は、市場に踊らされない知恵を身につけるための
経済エッセイです。

ポイントは「先入観」に囚われ過ぎないこと。

先入観を別の言葉で表すと「常識」と言います。

本書の中で示される竹中さんの立場は、
ある意味「二面的」であると説明されています。

ひとつは、エコノミストとして、経済学の知識を正しく利用すれば、
世の中で起こる過ちや失敗を避けることができるという立場。

そして、もうひとつは、既存の経済学の枠組みは、
それ自体が先入観を生み出す源泉になっていること。

ですから、私たちに求められるのは、経済理論を学びながらも、
先入観に囚われすぎない柔軟な思考。

本書では、世間に流布される根拠のない常識を覆しながらも、
豊富なデータや身近な例を使いながら、経済的素養を身につけ、
自分の頭で考える習慣を持つように説明されています。

世間の常識を見直す経済的思考を養うことでは、
三橋貴明さんの本と同じカテゴリーに入ります。

ただ、三橋さんの本と比べると語り口はマイルド。

あまり過激な発言はないので、穏やかに経済的思考を
身につけたい人には、竹中さんの本の方が合っているでしょう。

この本から何を活かすか?

政府が消費税を引き上げて10兆円増税して、
同時に景気対策で歳出を10兆円増やしたらどうなるのか?

ここで、増税と歳出増加が相殺して
景気に与える効果はゼロと考えてはいけません。

実は、「国民所得」の変化はゼロではなく、
10兆円増えることになります。

これは、どんなマクロ経済学の教科書にも載っている
簡単な国民経済フローのモデルで説明がつくようです。

感覚的にしっくりこないのは、「乗数効果」の視点が欠けているから。

竹中さんは、この話しをウェブマガジン日経ビジネスオンラインで
紹介
したところ、かなりの読者に理解されなかったそうです。

そして、マクロ経済の入門レベルのロジックが
すんなり受け入れられない事実に驚いたとか。

私も、「乗数効果」については、
なんとなく分かったつもりでいましたが、
せっかくの機会なので、きちんと理解したいと思います。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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| 経済・行動経済学 | 06:41 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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