会社の数字を科学する

会社の数字を科学する (PHPサイエンス・ワールド新書)
(2010/01/21)
内山 力 商品詳細を見る
満足度★★★
「会社のカネ」について、ちゃんと学びたい人向けの入門書。
以前紹介した高橋洋一さんと竹内薫さんの本では、
政治を科学していましたが、
本書では「会社のカネ」について科学します。
それでは、科学するとは、どういうことか?
この点について著者の内山力さんは、学研から発売されていた
小学生向け月刊誌「科学」と「学習」を例に説明しています。
・学習 : 知識を覚えることが中心、お勉強 → つらいもの
・科学 : 「なぜなんだろう」が原点、理解する → 楽しいもの
つらい、楽しいは、あくまで内山さんの主観ですが、
私も小学生のころ「科学」の教材を毎月楽しみに
待っていたので、その気持ちは良く分かります。
科学するとは、好奇心を持つことから始まり、
原理原則を理解し、自らのまわりで起きている社会現象を
自分の目で見て考え、未知のものを予測すること。
本書では、「カネを科学する」、「会社を科学する」、
「ファイナンスを科学する」、「会計を科学する」、
「投資を科学する」の5章に分け、会社の数字を科学します。
この辺が、本書がPHPサイエンス・ワールド新書から
刊行されている所以。
内容は、理系の方がワルノリして書いた、
「鳩山由紀夫の政治を科学する」のような雰囲気はなく、
いたってマジメです。
内山さんがビジネスパーソン向けに行なう、
2日間の「アカウンティング&ファイナンス」セミナーを
まとめて書籍化したものようです。
このセミナーが内山さんのコンサル会社の
最大のヒット商品となっているというのも納得の内容。
単なる表面的な決算書の読み方を解説するのではなく、
そもそものところから、わかりやくす説明し、
最終的には、それを仕事でどう使うかまで踏み込んでいます。
結局は、根本をきちんと理解するところから始めているので、
応用が利くということなのでしょう。

「税務調査に感謝!?」
会社を経営する人にとって、税務調査はイヤなものです。
本書には内山さんの会社に入った税務調査の様子が、
ドキュメンタリーとして紹介されていました。
いわゆる「おみやげ」を持って行かれる様子も
描かれています。
しかし、内山さんは会計のプロとしての税務署員に、
ここぞとばかりに、いろいろなことを教わり、
その後のセミナーなどで活かしたそうです。
税務調査の元は取ったということですね。
内山さんのように、誰もが避けたくなるようなイベントの時も、
常に学ぶ視点は忘れないようにしたいものです。
Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
- 関連記事
-
- 経営者の会計実学 (2010/03/16)
- 会社の数字を科学する (2010/03/04)
- 「1秒!」で財務諸表を読む方法【実践編】 (2009/10/17)
ツイート

| 会計・ファイナンス・企業分析 | 05:54 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑
宮本剛志(06/01)
数学音痴(05/06)
てんぐ(02/25)
ssigee(11/15)
アバン(08/24)
松山淳(07/27)
前田めぐる(05/06)