活かす読書
ikadoku

ビジネス書・ベストセラー本・科学本を中心に13年以上、ひたすら本を紹介し続けるブログ。既に紹介した本は3700冊以上。

中国貧困絶望工場

2010年02月19日
社会・国家・国際情勢 2
中国貧困絶望工場 「世界の工場」のカラクリ
中国貧困絶望工場 「世界の工場」のカラクリ
(2008/12/11)
アレクサンドラ・ハーニー 商品詳細を見る

満足度★★★★

ここ数年、MADE IN CHINAにおける様々な問題が
クローズアップされています。

しかし、どんな問題が起きようとも、私たちの生活から
中国製品が消えることはありませんでしたし、
今後も欠かすことはできない存在でしょう。

本書はブランド化した「チャイナ・プライス」の
裏側に迫るレポートです。

中国には安い賃金の、豊富な労働力があります。
更に、産業集積効果を高めるために、国が積極的に
インフラを整備することで、世界中から工場を呼び込んでいます。

著者のアレクサンドラ・ハーニーさんは、
元フィナンシャル・タイムズの中国特派員。

中国はチャイナ・プライスを維持するために
いかなる代償を支払っているのか?

本書では、広東省の消費財製造工場に焦点を当て、
そこで働く人々の姿をレポートすることで、
中国の工場の実態をあぶりだします。

そしてその実態は、中国製品にどっぷり漬かっている
私たちにとっても、あまり他人事ではありません。

  「結局、中国に責任があるように見えても、
  世界中の消費者にも同程度の責任があるということだ。(中略)
  チャイナ・プライスの存在には、我々すべてが関係しているのである。」

ただし、本書は単に悲惨さを訴えるだけでなく、
「希望」の光も描いています。

劣悪な環境で働きながらも、決して絶望せず、
新たな動きを作る人々の物語という一面も見逃せません。

邦題は、これでもかというぐらい悲惨さを強調しているので、
中国の工場バッシングの本というイメージを
抱くかもしれませんが、本書は内部から変わろうとしている
中国の変革期を描く優れたルポルタージュとなっています。

インパクトだけを狙った邦題よりも、原題の
The China Price: The True Cost of Chinese Competitive Advantage
の方が本書の内容を的確に表現しているように思えます。

この本から何を活かすか?

中国には、本書で指摘されるような脆弱性がまだまだあります。

一方で中国経済は、間違いなく日本より成長余力があり、
多少成長のスピードが鈍っても、今後も確実に成長するでしょう。

中国株式市場はそういった背景を反映し、
ボラティリティの大きなマーケットとなっています。

要するに、中国株は、下げる時は大きく下げますが、
全体としては、成長基調にあるということです。

ですから、中国株でこそ、「ドルコスト平均法」が、
その効果を最も発揮すると思います。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

コメント2件

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キリユキ

上の記事に対してつっこみどころは多々ありますが、ikadokuさんは『本当にヤバイ!中国経済』という本をご存知でしょうか?
もうすこし中国経済に対して勉強してから記事を書いて欲しいです。

ikadokuさんは「中国製品は今後も欠かすことはできない」とか「中国経済は日本より成長余力がある」とかもう誰も言わなくなった神話をまだ信じているのですか?早く夢から覚めてください。

2010年02月19日 (金) 09:53

ikadoku

キリユキさん

キリユキさんご指摘の通り、私は中国経済について
それほど詳しくは勉強していません。

夢から覚めるかどうかは別にして、
この歳になると、ちゃんと勉強しなさいと
言われる機会も少ないので、
非常にありがたいコメントでした。

2010年02月20日 (土) 14:04