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読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

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アニマルスピリット

アニマルスピリット
アニマルスピリット
(2009/05/29)
ジョージ・A・アカロフ & ロバート・シラー 商品詳細を見る

満足度★★★

自己の利益のみに従って完全に合理的に行動する
ホモ・エコノミクスなんて市場にはいないし、
経済は人の感情によって大きく動かされる。

行動経済学においては、ごく当たり前の考えですが、
同じ意見でも、誰が語っているで影響力は違います。

本書は、そう思わせる経済界の大御所二名の共著です。

一人は、ピーター・バーンスタインさんの「アルファを求める男たち
でも紹介されていた、ロバート・シラーさん。
投機バブル 根拠なき熱狂」の著者としても有名です。

そしてもう一人は、、情報の非対称性に関する研究で2001年に
ノーベル経済学賞を受賞したジョージ・アカロフさん。

お二人は、既存のマクロ経済学理論の限界を指摘し、
人間の心理が大きく作用する行動経済学で
本当の経済の仕組みを読み解きます。

そのポイントとなるのは、「アニマルスピリット」。

アニマルスピリットとは、日々の経済の中に存在し、
不合理な行動をとってしまう感情。

これはジョン・メイナード・ケインズさんが
「一般理論」の中で使った言葉で、邦訳では「血気」という
訳語が当てられていたそうです。

本書の第Ⅰ部では、アニマルスピリットの
安心、公平さ、腐敗と背信、貨幣錯覚、物語という
5つの側面が経済的意思決定にどう影響するかが語られます。

第Ⅱ部では、アニマルスピリットが次の8つの質問に答えるうえで
いかに重要な役割を果たすかが明かされます。

  1. なぜ経済は不況に陥るのか?
  2. なぜ中央銀行は経済に対して(持つ場合には)力を持つのか?
  3. なぜ仕事を見つけられない人がいるのか?
  4. なぜ長期的にはインフレと失業はトレードオフの関係にあるのか?
  5. なぜ未来のための貯蓄はこれほどいい加減なのか?
  6. なぜ金融価格と企業投資はこんなに変動が激しいのか?
  7. なぜ不動産価格には周期性があるのか?
  8. なぜ貧困は条件の悪い黒人の間で何世代も続いてしまうのか?

決して意外性のあることが語られているわけではありませんが、
ケインズさんのキーワードを行動経済学に持ち込み、
現実の経済の動きを解説する、非常に読み応えのある一冊です。

この本から何を活かすか?

私は、ロバート・シラーさんの
投機バブル 根拠なき熱狂」を読んでいません。

いくつかの本で紹介されていたので、
気にはなっていましたが、読むタイミングを逃していました。

そこで、Amazonを見てみましたが、残念なことに
現在はマーケットプレイスでしか扱いがないようです。

ところで、この本の訳者の中に懐かしい名前がありました。

植草一秀さん。

今はどうしているのでしょうか?

あの一連の事件さえなければ、今の民主党政権の中で、
竹中平蔵さんが小泉政権で担ったような役割を得たはず。

理路整然で、ホモ・エコノミクスにさえ見える植草さんも、
自分の中にあるアニマルスピリットには、
逆らえなかったということなのでしょう。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book. 
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| 経済・行動経済学 | 04:56 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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