活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

PREV | PAGE-SELECT | NEXT


≫ EDIT

たまたま

たまたま―日常に潜む「偶然」を科学する
たまたま―日常に潜む「偶然」を科学する
(2009/09/18)
レナード・ムロディナウ 商品詳細を見る

満足度★★★★

本書に出ていた、設定が面白い確率の初歩の問題をひとつ。

  デューク大の2人の学生が、遊んでいて化学の期末試験に遅れました。
  2人は、担当教官に一緒に乗っていた車のタイヤが1つパンクしたと
  ウソの説明をして、再試験をしてもらうよう頼みました。
  教官は同意し、2人を別々の部屋に入れ受験させました。
  表に書かれた最初の問題は5点満点。裏をめくると2問目は95点満点で、
  「パンクしたのはどのタイヤだったか?」という問題。
  ウソをついた2人の学生が同じ答えを書く確率はいくらでしょうか?

出典は「モンティ・ホール問題」で有名な、IQ228を誇る
マリリン・ヴォス・サヴァントさんのコラム「マリリンに聞け(Ask Marilyn)
からのようです。答えは後ほど。

本書の原題は「The Drunkard's Walk(酔っ払いの千鳥足)」。

なぜ、私たちは「たまたま」を「やっぱり」と勘違いしてしまうのか?

本書では、身のまわりの世界における「偶然(ランダムネス)」の
役割や作用を様々な具体例を用いて説明します。

著者のレナード・ムロディナウさんは、理論物理学者で、
あのリチャード・ファインマンさんに直接教えを受けていたそうです。

大ヒット映画もコイン投げと同じ、DNA鑑定の本当の精度、
宝くじを買占めた投資集団、統計でパン屋のいかさまを見破ったポアンカレ、
ワイン格付けの信頼性、O.Jシンプソン裁判の弁護側戦略、
11年連続市場を正しく予測した男、ビル・ケイツの幸運・・・

確率・統計の歴史をたどりながら、日常に潜むランダムネスの
トピックが広い範囲で扱われています。

本書を読むと、私たちがいかに「たまたま」に左右され、
誤った認識や判断をしているかがよく分かります。

邦題や装丁からすると、同じダイヤモンド社から出版されている
ナシーム・ニコラス・タレブさんの「まぐれ」を意識した作り。

テーマも似ているので、二番煎じを心配しましたが、
読んでいるうちにそんなことは忘れ、
ムロディナウさんの独特の世界に引き込まれていました。

この手の本を読みなれない方には、少々読みにくいかも知れませんが、
ランダムネスの振る舞いを理解すると、
いろいろなものの見方が違ってくるかもしれません。

ホーキング博士が本書を絶賛しているのがよく分かります。

この本から何を活かすか?

さて、冒頭の確率の問題ですが、答えは1/4。
可能性の一覧に分解する練習です。

本書の巻末の解答をそのまま記載すると、

  右の前タイヤを「RF」、右後タイヤを「RR」・・・などと記述すると、
  2人の学生の答えの組み合わせは、
  (RF,RF)(RF,RR)(RF,LF)(RF,LR)(RR,RF)(RR,RR)
  (RR,LF)(RR,LR)(LF,RF)(LF,RR)(LF,LF)(LF,LR)
  (LR,RF)(LR,RR)(LR,LF)(LR,LR)
  の16通りで、この内一致しているのは4通り。
  したがって確率は16分の4、すなわち4分の1。

さて、軽くウォーミングアップができたところで、
ご存じない方のために、一大論争を巻き起こした、
「モンティ・ホール問題」を紹介しておきましょう。

  テレビのゲーム番組で、競技者が3つのドアの選択権を得られるとします。
  1つのドアの後には車が、残りのドアの後にはヤギがいます。
  競技者が1つのドアを選択したあと、すべてのドアの後に何があるかを
  知っている司会者が、選ばれなかった2つのドアのうち1つを開けます。
  そして競技者にこう言います。「開いていないもう一つのドアに選択を
  変えますか?」選択を変更することは競技者にとって得策でしょうか?

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

関連記事

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 数学 | 09:27 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

こんにちは。ぼちぼち秋めいてきました。
北海道は如何ですか?
最近はバイクに夢中でどーにもなりません!

今日はタイトルに引かれてやってきました。
>選択を変更することは競技者にとって得策でしょうか?
3分の1で選んだ後、2分の1に確率アップ?
でも、この問題って最初から2分の1ですよね。
心理的には、惑いを誘うけど。。。
番組的には視聴者の厭らしい心を掴みそうだけど。
違うかな?

寒くなってきました。
お身体にはご自愛ください。

| 桜木町のぱく | 2009/10/30 11:24 | URL | ≫ EDIT

桜木町のぱくさん

御岳渓谷良さそうな所ですね。
こちらは、もう雪の季節に突入です。

ところで、「モンティ・ホール問題」は、最初の偶然性に
途中の司会者の作意が加わるのが難しいところのようです。

「選択を変える方が、変えない時より、
2倍の確率で車を引き当てる」と
マリリン・ヴォス・サヴァントさんが回答したことが、
大きな論争を巻き起こしました。

| ikadoku | 2009/11/02 06:40 | URL |















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://ikadoku.blog76.fc2.com/tb.php/693-ad32f6b7

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT