「結果を出す人」はノートに何を書いているのか
「結果を出す人」はノートに何を書いているのか (Nanaブックス)
(2009/09/11)
美崎栄一郎 商品詳細を見る
満足度★★★
「羊の皮をかぶった狼」といった印象の一冊。
本書には、いろいろなノートや便利文房具が紹介されているので、
見ているだけで楽しくなりますが、そんな小手先のことに
惑わされてはいけません。
本書が提唱するノート術の本質は、経験を蓄積するだけでなく、
「仮説・検証」のシステムが組み込まれ、
ノートが知的創造の場にもなっていることにあります。
著者は、「花王で働くスーパーサラリーマン」の美崎栄一郎さん。
まさにデキるビジネスパーソンといった雰囲気が伝わってきますね。
美崎さんは、ビジネスにおける生産性の差はノートの使い方の差であり、
「ノート術はビジネススキル」と言っています。
そこで、本書で解説されるのが社会人のための「三冊ノート術」。
一冊にまとめず、三冊で役割分担して連携するのがポイント。
・メモノート(A6またはA7サイズのちぎれるメモ帳)
→ タスク管理、アイディア出し
・母艦ノート(A5サイズのコクヨS&T・キャンパスノート)
→ 情報基地、プロジェクトノート、会議ノート
・スケジュールノート(A6サイズのコクヨS&T・キャンパスダイアリー)
→ マンスリーで時間管理
この中で、特に注目すべきは情報基地となる母艦ノート。
ここでは「予想」、「実行」、「結果」を色分けして記入することで、
PDCAサイクルを回して、経験知を蓄積しながら成長する
ノートの使い方が解説されています。
また、美崎さんはセミナーノート術として、
講演を聞く前から「〇〇についての具体的な方法を聴く」といったように
セミナーから持ち帰るテーマを決めているそうです。
これは、読書も同じ。
読む前から「この本から〇〇を習得する」と決めておくだけで、
吸収する度合いが違ってきますから、最初に持ち帰るテーマを
設定しておくのは大切なことですね。
スーパーサラリーマンである現在の美崎さんをつくり上げたのは、
「キャンパスノート」という、ひとつの商品を使ったからではなく、
「仮説・検証をノートの中に組み込み習慣化した」点にあります。
本書は、美崎さんの処女作ということもあって
ノウハウや情報が、盛りだくさんに詰め込まれていますが、
一番肝心な点を見誤らないようにしたいものです。
[参考情報]
本書でも紹介され、当ブログの過去記事でも好評の
コクヨS&T・カバーノート(SYSTEMIC・システミック)に
新色の「茶」と「紺」のバージョンが出たようです。
・A5タイプ茶:ノ-655A-3 カバーノート 2冊収容 A5茶 A罫 40枚
・A5タイプ紺:ノ-655A-4 カバーノート 2冊収容 A5紺 A罫 40枚
・A6タイプ茶:ノ-659B-3 カバーノート 2冊収容 A6茶 B罫 48枚
・A6タイプ紺:ノ-659B-4 カバーノート 2冊収容 A6紺 B罫 48枚
あと、本書の公式サイトは、こちらです。
この本から何を活かすか?
読書ノートは「アクションプラン」
美崎さんは自分の読書録を「A書評(アクション書評)」と呼び、
読書後に実行すべきことを、シンプルなキーワードにまとめています。
キーワードに落とし込むことで、やるべきことのエッセンスが抽出され
他人の言葉から自分の言葉になるのかもしれません。
そこで、ちょっと入れ子構造っぽくなりますが、
本書を読んだ私のアクションプランは
「キーワード化する」こととします。
Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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