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ハチはなぜ大量死したのか

2009年09月19日
科学・生活 0
ハチはなぜ大量死したのか
ハチはなぜ大量死したのか
(2009/01/27)
ローワン・ジェイコブセン 商品詳細を見る

満足度★★★★

養蜂業者の主な収入源は何か?

最初に私の無知を告白しておくと、私は疑いもなく
蜂蜜の生産による収入だと思っていました。

日本では、これは必ずしも間違いではないかもしれませんが、
アメリカでは事情が違うようです。

アメリカの養蜂業者の主な収入源は巣箱のレンタル料。

これは、広大な農地で農作物の受粉を請け負う重要な仕事です。

つまり、多くの野菜や果物は、蜂の受粉媒介者としての
活躍により、食卓に届けられているということ。

人は、思っているよりはるかに、
蜂などの花粉媒介者の恩恵をこうむっているようです。

2006年秋、米フロリダ州ラスキンで商業養蜂を営む
デイブ・ハッケンバーグさんは巣箱を開けて、助手にこう言います。

  「グレン、蜂がいないんじゃないかい?」

この時、ハッケンバーグさんは、400箱のコロニーの内、
わずか32群を残してすべて、働きバチがいない状態を発見します。

蜂は巣箱の中で死滅しているのではなく、消失していました。

これが、蜂群崩壊症候群、
CCD(Colony Collapse Disorder)の始まりでした。

この年、ハッケンバーグさんの巣箱以外でも、
アメリカ、カナダ、ヨーロッパと北半球から四分の一の蜂が
忽然と消える事態へと発展します。

集団としての知性を持つ蜂の突然の失踪。

本書は、この「CCDの謎」を巧みなストーリーテリングで追う、
極上のミステリーにして、環境問題を問う優れた科学フィクションです。

実は、CCD発生から3年経った2009年においても、
いまだそのハッキリとした原因は解明されていないようです。

解説の“Mr.動的平衡”福岡伸一さんは本書について、
次ぎのように評いています。

  「薄皮を一枚ずつ剥いでいくように謎を追う筆致は
  スリルを極め、近年読んだ科学フィクションの中でも出色だ。」

私も福岡さんに全く同感。上質な科学書です。

YouTubeにはハッケンバーグさんの、
インタビュー映像などもアップされています。

しかし、老婆心ながら言わせてもらうと、先に映像を見てしまうと、
本書の面白さを減退させてしまう可能性がありますので、
まずは本書を楽しんでから、映像をみることをオススメします。

この本から何を活かすか?

著者のローワン・ジェイコブセンさんは蜂に魅せられ
本書を執筆後、実際にミツバチを飼うようになったそうです。

付録には、ミツバチの飼い方や
受粉昆虫にやさしい庭作りの方法も掲載。

確かに、本書を読むとミツバチに興味は湧きましたが、
さすがに、すぐに飼おうと思うまでには至りません。

とりあえず、訳者の中里京子さんが、とっておきの本として
紹介していた「庭で飼うはじめてのみつばち―ホビー養蜂入門」を
見てみることにします。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

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