自分の答えのつくりかた
自分の答えのつくりかた―INDEPENDENT MIND
(2009/05/22)
渡辺 健介 商品詳細を見る
満足度★★★
「世界一やさしい問題解決の授業」の「物語」版。
親しみやすいイラストが随所に挿入され、
内容的には小学生が読んでも理解できる物語ですが、
漢字にルビが振られていないので、実際のところは
中学生以上が対象というところでしょうか。
今回のメインテーマは、「インディペンデントマインド」を
身につけること。
本書の中での、インディペンデントマインドとは、
幅広い視野、教養、経験に基づいて築き上げられた
自立した考えと価値観を指しています。
著者の渡辺健介さんは、自立した考えと価値観を
ただの単語として伝えてしまうと、一歩間違えば協調性を失ったり、
周りの声に耳を傾けない人になりかねないことを危惧し、
コンテクストの中で、そのバランスと重要性を伝えようと試みました。
物語の設定と、本書で学ぶ内容は以下の通りです。
主人公はピンキーという名前の「魚」。サッカー好きな中学2年生。
物語はピンキーがサッカー留学を通じて、
更には、友人のブー、クラゲコーチ、人生の師であるMr.Bなど
周囲の人たち(魚たち)から影響を受け、
インディペンデントマインドを徐々に培っていく様子が描かれています。
第1章 「ピンキーのサッカー留学」
日常生活における個人の問題解決を「評価軸×評価シート」を
使って学びます。
第2章 「新しい環境、新しい自分」
意思決定の礎となる人間的土台を作ります。
「ピラミッド・ストラクチャー」などを使って考え抜く力をつける。
第3章 「赤い魚たちの移住」
いかに集団で問題解決を行っていくかを学びます。
300ページ以上ありますが、さすがに中学生でも分かるように
書いてあるだけあって、サラサラと読めてしまいます。
前半の部分は、恐らく渡辺さん自身の留学体験が話のベース
なっていると思われます。
また、後半は「カモメになったペンギン」の話しを連想させる感じでした。
こういった物語形式は、いきなり結論が示されるのではなく、
ゼロの状態から主人公と一緒に段階的に学ぶことができますので、
素養がない分野のことを身につけるには良い方法ですね。この本から何を活かすか?
渡辺さんは留学時代、アメリカの学生がピラミッド・ストラクチャーを
体の一部になるまで叩き込まれ、使いこなせるのが当然の状態に
なっていることに衝撃を受けたようです。
確かに、ピラミッド・ストラクチャーは、使える場面が多いですから、
学生時代に身につけておくと、大きなアドバンテージになりますね。
以前、私は自分の子どもに「良い点・悪い点リスト」の
作り方を教えましたが、今度はピラミッド・ストラクチャーを
教えつつ、自分でもその使いこなしを極めたいと思います。
Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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