徹底抗戦
徹底抗戦
(2009/03/05)
堀江 貴文 商品詳細を見る
満足度★★★
堀江貴文さんから見た「ライブドア事件」の真相と、
その後の検察との戦いについて、書き下ろされた本です。
いまだにファンの多い堀江さんですが、本書を読む限り
まだまだ死んでいないという印象を受けます。
対検察、対マスコミ、対かつての腹心。
裁判を行うだけでも相当なエネルギーを使うはずですが、
堀江さんの敵はそれ以上に手強いマスコミであったり、
信頼していたであろう元NO.2の宮内亮治さんです。
事実はどうであれ、こういった不利な状況の中でも心が折れずに
「徹底抗戦」を挑む堀江さんのパワーには敬服せざるを得ません。
本書では、何度となく宮内さんの「横領」疑惑について触れられています。
既に宮内さんは、「虚構―堀江と私とライブドア」で内情を
告白する本を出版していますし、検察側の一番の鍵が宮内さんの
証言でもありますから、対決姿勢がより鮮明になっているのは
十分に納得できます。
仮に堀江さんの話が真実なら、最大の誤りは宮内さんを信頼して
取締役に据えたこと。
端的に言えば、人を見る目がなかったということでしょうか。
先日記事にした、塚越寛さんの『リストラなしの「年輪経営」』
の中でも、堀江さんは利益至上主義の権化として批判されていました。
とかく世間ではイメージが作られるもの。
マスコミも「悪人」という分かりやすいレッテルを貼り、
過剰報道することで、ワイドショー的な話題をつくり上げます。
堀江さんもそういったマスコミの餌食となったことは、
非常に腹立たしいことでしょうが、一時期は自分で率先して
マスコミを利用し、イメージを主導していましたから、
ある面ではやむを得ないことでしょう。
逮捕以降、堀江さんにとってはマイナス方向の
情報のカスケードが起こり、それまで道具として使っていたマスコミを
まったく制御できなくなってしまったようです。
当然ながら、本書にはポジショントークも含まれますが、
強大な権力を持った検察制度の問題点などについても
考えさせられる一冊でした。 この本から何を活かすか?
堀江さんにとっての一番の恐怖は何か?
刑務所に入れられ、刑務作業をやらされることではないようです。
本書で語られるのは「退屈」に対する恐怖感。
「私としては刑務所で刑期を過ごすことが
恐怖なのではなく、何もすることのない拘置所で無為な日々を
送ることが恐怖なのである。」
この堀江さんの話を聞くと、
もし日常を漫然と退屈に過ごしているならば、
それは塀の中に入れられるより、罪なことをしている
と考えるべきなのかもしれません。
Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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