世界一受けたいお金の授業
世界一受けたいお金の授業
(2009/02/21)
和仁達也 商品詳細を見る
満足度★★
お金についての「超」入門書。はじめて、お金について学ぶ人向け。
決算書、経済書、資産運用などの本を読む前に、
お金の概要をつかむために、読んでおきたい一冊です。
次の質問の正しい答えが分からなければ、
本書を読んだ方がいいと勧められています。
・お金持ちと貧乏人の考え方の“決定的”な違いとは?
・自分の市場価値を上げるお金の使い方とは?
・突然解雇されないために「会社の業績&欠点」を
見抜いておくコツとは?
・サギまがいのオイシイ儲け話にだまされない方法とは?
・10分で、「すぐに潰れそうなお店」か「行列のできるお店」
かを見分けるには?
著者の和仁達也さんは、これらの問いに答える形で、
品川女子学院(高校)で行った計6回の課外授業をベースに
本書にまとめました。
お金との賢い付き合い方や、お金を活かすコツから、
決算書の見方まで、身近な例を挙げ解説しています。
数字の説明は「ブロックパズル」で、すべて視覚化されていますから、
経済に苦手意識のある人や、数字にアレルギーがある人にも
とっつきやすいでしょう。
課外授業に参加した高校生たちに好評だったのも納得です。
世界一「受けたい」というタイトルですが、
「世界一やさしい」とか、「最初に受けたい」というタイトルの方が
シックリくるかもしれませんね。
その反面、ある程度の金融リテラシーが身についている方からすると、
平易すぎると感じるのは、止むを得ないところでしょうか。
なにせ、2時限目の「会計を学ぶ前に、家計を学ぼう」の章では、
「まず手取り収入がいくらかをちゃんと把握すること。」
が強調されているぐらいですから。
逆な言い方をすると、
自分の手取り収入さえ把握していない人には、必須の本ということです。 この本から何を活かすか?
本書では、お金の使い方を4つのタイプに分類しています。
A : 将来設計のある「堅実キッチリ生活」タイプ
B : 宵越しの金を持たない「収支トントン生活」タイプ
C : 身の丈に合わない「贅沢生活」タイプ
D : 遊びで身を崩す「道楽生活」タイプ
本書では、Aの「堅実キッチリ生活」タイプを
目指しましょうというスタンスです。
一般論として、Aタイプを勧めることに、私は異論がありません。
しかし現実問題として、この4つの枠組みの中に収まっていては、
将来、お金の制約から自由を得ることは不可能のように思えます。
私自身も30代の頃は、この枠組みに入っていませんでした。
・自分の価値を高めることを徹底優先する「自己投資中心生活」タイプ
・将来の投資のために、一切無駄使いをしない「究極の倹約生活」タイプ
・ひたすら投資の研究をして、実践を続ける「投資求道生活」タイプ
・お金を産むための賢い借金ができる「レバレッジ生活」タイプ
これらのタイプのように、ある種、一般的な生活を犠牲にして、
リスクテイクすることなしに、将来大きなリターンを得ることは
期待できないような気がします。
Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
- 関連記事
-
- 勝間和代のお金の学校 (2009/05/22)
- 世界一受けたいお金の授業 (2009/04/13)
- 頭のいいお金の使い方 (2009/03/28)