クラウドソーシング

クラウドソーシング 世界の隠れた才能をあなたのビジネスに活かす方法
(2008/07/23)
バリー リバート / ジョン スペクター 商品詳細を見る
満足度★★★
Wikipediaのような多くの人の知恵を利用する活動を、
企業として取り入れている具体例が紹介された本です。
クラウドソーシングとは、インターネット等を通じて
社外の不特定多数の人々に対しアウトソーシングを行うこと。
本書の原題は「We Are Smarter Than Me」であり、
「集団はメンバー1人ひとりより優れている」という考えが
クラウドソーシングの根底にあります。
本書自体も4000名からなるコミュニティの力によって
生み出され、クラウド(群集)とのコラボレーションによる
初めての書籍として話題になったようですね。
具体的事例として紹介される企業は、
アマゾン、リンデンラボ、P&G、インテュイット、M80など。
日本からはパズルで世界的に有名なニコリが登場。
製品の開発やマーケティング、顧客サービスの分野で、
クラウドの力を利用している企業があるのは分かりますが、
資金調達やマネジメントにまで活用している企業があるのは
私にとっては驚きでした。
「自分たちの必要性や要求を満たせる状況が生み出せるなら、
無償で手を貸すことを全く厭わない」
というインターネットコミュニティ上の性質をうまく利用し、
企業とコミュニティメンバー1人ひとりが
Win-Winの関係を築くことが、成功の鍵となるのでしょう。
本書はクラウドソーシングやウィキノミクスを詳しく知りたい方は勿論、
企業として実際に取り入れようと考えている方にも参考となります。
「クラウドソーシングという現象を追求することはぜひ続けたほうがいい。
それは未来のトレンドであり、その波に乗っていくべきである。」
これは、個人にとっても企業にとっても言えることかもしれません。
大前研一さんが、以前、本書を激賞してましたが、
それも分かるような気がします。

巻末には「クラウドソーシング成功の8つのガイドライン」が
提示されています。
1. 裏方に徹する
2. 立ち入る時機を知る
3. 本物のコミュニティをつくる
4. 秘密をつくらない
5. 「完璧」であることを忘れる
6. 場をかき回す
7. 感謝を示す
8. 先を見据える
これは、クラウドソーシングに限らず、インターネット以外のコミュニティや
組織の運営にも必要な示唆が含まれているような気がします。
Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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