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旅する力―深夜特急ノート

旅する力―深夜特急ノート
旅する力―深夜特急ノート
(2008/11)
沢木 耕太郎 商品詳細を見る

満足度★★★★

あの熱狂的ファンを持つ沢木耕太郎さんの著書、
深夜特急」の誕生秘話が明かされるエッセイ。

ちなみに「深夜特急」とは、沢木さんが26歳の時
(1970年代)に、香港を経由して、デリー発ロンドン行きの
乗合いバスの旅を綴った紀行文です。

正直、深夜特急ファン以外の方が読んで面白いかどうかは疑問。

前半は少年時代の沢木さんが、初めて旅をする話から始まり、
ノンフィクションのライターとしてデビューする経緯などが
語られているので、若干テンションは低めです。

しかし、後半に進むに連れ、旅に出るためのルート決め、持ち物、
資金、ノートの書き方など詳細に当時の裏話や手紙などが披露され、
次第に「深夜特急」を読んだ当時の、あの熱くなる感覚が蘇ってきます。

沢木さんは、

  「やはり旅にはその旅にふさわしい年齢があるのだという気がする」

と言います。

沢木さんの「深夜特急」は、20代半ばだったからこそできた旅。

しかし、本書を読むと、再び「深夜特急」が読みたくなり、
ついては、再び旅に出たくなる誘惑に駆られることでしょう。

それでは、適齢期を過ぎた人はどうしたらよいのか?

そのヒントは、“あとがき”に書かれている、
沢木さんのサイン会に来た男性のエピソードにありました。

  沢木さんは、本にサインをしながら、ある男性会話をし、
  彼の職業が歯科医であることを知り、こう話しかけます。

  「すると、あまり長期の旅行はできませんね」

  男性は、残念そうにうなずきます。

  「そうなんです」

  そう言ってから、男性はこう続けました。

  「だから、いまようやくローマに辿り着いたところなんです。」

  沢木さんは、最初、その言葉の意味わからず、男性の顔を見ました。

  「ローマまで来るのに7年かかりました」

  それを聞いて、沢木さんは、一挙に理解します。
  彼は休みのたびに少しずつ深夜特急のルートをなぞり、
  細切れに歩き、7年かけてローマに着いたのです。

  「もしかしたら・・・」

  「ええ、あと2、3年でロンドンに着きたいと思っているんです」

30年前の沢木さんの旅が、いろいろな形で人々に影響し、
受け継がれているようですね。
この男性のように、自分のできる範囲で旅を続けることが、
適齢期を過ぎてからの旅へも応用できそうです。

この本から何を活かすか?

本書の中で、語って欲しくないエピソードもありました。

一つは、あの旅でロンドンに着いたあと、沢木さんはどうしたか?

あの旅は読者が100人いれば100人なりの
旅の続きや終わりがあるので、
あえて語らなくてもよかったような気がします。

もう一つは、猿岩石について。

これも、わざわざ沢木さんがコメントしなくても・・・

とりあえず、私は大沢たかおさん主演のドラマは
見ていないので、GEOでレンタルしているか探してみます。

あと、若い世代では「深夜特急」を知らない方も多いようなので、
若い知り合いには、読むように薦めてみます。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book. 
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| 書評リンク | 2009/02/17 21:57 |

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