弾言 成功する人生とバランスシートの使い方
弾言 成功する人生とバランスシートの使い方
(2008/09/25)
小飼 弾 / 山路 達也 商品詳細を見る
満足度★★★★
私の中では、「404 Blog Not Found の小飼弾さん」
という位置づけですが、初めて小飼さんの著書を読みました。
鋭い切り口は残しつつも、ブログの文体よりかなりマイルドで、
非常に読みやすい本に仕上がっています。
本書のテーマは、ヒト、モノ、カネの3つの要素を
バランスシートの観点に基づいて、その関係性を探ること。
ヒトとは何か?、モノとは何か?、カネとは何か?
をしっかりと議論した後、「カネ≒モノ」だった時代から、
「カネ≒ヒト」へとトレンドが変わったことを示しています。
小飼さんは、個人のコネの価値について、
ネットワーク自体の価値=ネットワーク全体の価値-∑(個人の価値)
という式で表し、「コネこそカネである」と弾言しています。
これこそ、バランスシート的な見方をすると、
仕訳上では「のれん代」、つまり個人ブランドの価値と
言い換えることができます。
つまり、カネを生むには、ネットワークの価値を高めることが必要で、
そのためには、個人ブランド価値を高めることが必須であると
考えることができます。
あと、本書で私が気に入った考えを2点ほど。
「どんなにお金が必要でも、週40時間以上仕事をしてはいけないと思います。
そうやって月収が10万円にしかならないのであれば、
10万円で生活できるように切り詰めるべきです。」
多くの人には、非現実的な言葉のように聞こえるかもしれませんが、
私はこの考えに大賛成です。
「根源的にはモノを所有することはできないのです。なぜかと言えば、
人間には寿命があるから。
どんなモノでも、せいぜい80年レンタルにしかならないんですよ。」
何でも“80年レンタル”と考えると、モノを所有することへの
こだわりが薄らぎそうですね。 この本から何を活かすか?
なぜ、小飼さんは、同じ本を読んでも、鋭い洞察ができるのか?
その答えのヒントが、本書にあります。
「本を読了しても、それは読書の半分にしかすぎないということです。
(中略)読み終わったら、今度は『自分を読んで』みてください。」
誰しも本を読むと、得た情報を自分のデータベース
(経験や知識)に参照します。
アウトプットの質の高い方は、いったん情報を抽象化し、
別のケースへの置き換え(比喩)や関連付けをしていますが、
根本的にデータベースの蓄積量が多いことも見逃せません。
私も本書を読了後、しっかりと「自分を読む」作業をやってみます。
Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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