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ikadoku

ビジネス書・ベストセラー本・科学本を中心に13年以上、ひたすら本を紹介し続けるブログ。既に紹介した本は3700冊以上。

大前研一 DX革命

2021年03月31日
IT・ネット 0

大前研一 DX革命(BBTプレジデントシリーズ) (「BBT×プレジデント」エグゼクティブセミナー選書 14)

満足度★★★
付箋数:23

「ATAMIせかいえ」というリゾート
施設は、大前研一さんが手がけた、
熱海にある全室オーシャンビューの
温泉旅館です。

ここでは、企業のトップと参謀を
対象としたエグゼクティブセミナー
が定期的に開催されています。

本書は、「ATAMIせかいえ」で
開催されたセミナーを書籍化した
第14弾です。

大前さんを含め、6名の講師が
行った講演内容を収録しています。

今回、大前さんが行った講演の
テーマは「DX革命」について。

DXとは、デジタルトランス
フォーメーションのことです。

 「読者の中には、DXと、従来の
  “IT革命” や “デジタル革命” の
 違いがわからない人もいるだろう。
 DXとは、単にITやデジタルテクノロジー
 を取り入れるといった単純な
 ことではない。 “デジタルテクノロジー
 を用いて、21世紀型企業に変革を
 図る” 。ことこそがDXの本質
 なのである。」

最初に大前さんが説明するのは、
ディスラプターの台頭について。

ディスラプターとは、
破壊的イノベーターのこと。

アメリカのGAFA(グーグル、アマゾン、
フェイスブック、アップル)や、
中国のBAT(バイドゥ、アリババ、
テンセント)などがその代表です。

DXを取り入れず、従来の延長線上で
ビジネスを行っている企業は、
ディスラプターに食い物にされる。

それどころか、業界もろとも
失くなってしまう、産業の突然死
に見舞われる可能性もあるのです。

日本では、DXに対する取り組みが
まだまだ不十分で、危機感も
不足していると、大前さんは
指摘しています。

 「 “IT分野では、中国が今では
 アメリカと肩を並べるほどに
 なっている” という現実を、
 日本人はもっと切実に受け止め
 なければならない。なぜなら、
 彼らが日本に本格的に入って
 くると、多くの企業が一瞬にして
 突然死を余儀なくされるからだ。」

本書では、DXの先進事例として、
ネットフリックス、リクルート、
ウォルマート、フォルクスワーゲン、
タクシー業界、アパレル業界の
6つを紹介しています。

その上で、DXでビジネスをどう
変えていくかを、図を用いながら
解説しています。

ガギとなるのは、経営者自身が
デジタルに強くなること。

CEOがCDO(最高デジタル責任者)
になるぐらい精通していなければ、
DXの成功はおぼつかないと、
大前さんは指摘しています。

本書全体としては、大前さんが
DX革命の概論を担当し、それ以外の
方が各論を担当する構成です。

大前さん以外の講演内容は、
次のようになっています。

・ワークマンがデータ経営で
 描いた新業態戦略
  土屋哲雄さん

・企業における情報システム改革
 からIoT、DXへの取り組み
  矢島孝應さん

・継続利用率99.5%、5年で3万社が
 登録した「SmartHR」事業
  宮田昇始さん

・「スマートコンストラクション」
 で実現する建設産業のDX
  四家千佳史さん

・経営トップが自ら取り組む、
 アパレルDX事例
  佐藤満さん

この本から何を活かすか?

個人的に注目したのは、急成長
している「ワークマン」の戦略です。

それは、アマゾンに負けいない経営。

次の3点で、ワークマンはそれを
目指しているようです。

 1.定価でアマゾンに負けない
 2.配送費でアマゾンに負けない
 3.販促費をかけない

ワークマンでは、実店舗のメリット
を生かして、アマゾンに負けない
仕組みを作り上げています。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

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