一気にわかる!池上彰の世界情勢2021新型コロナに翻弄された世界編
2021年03月18日
一気にわかる!池上彰の世界情勢2021新型コロナに翻弄された世界編
満足度★★
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池上彰 毎日新聞出版 2021年01月12日頃
「2020年は新型コロナウイルスの
感染拡大で日本も世界も振り回された
1年でしたが、これをきっかけに
新しい時代が見えてきたと思い
ませんか。働き方も学び方も
社会の仕組みが大きく変わろうと
しているのです。」
本書は、新型コロナウイルスに
翻弄された2020年を振り返りつつ、
2021年の展望について池上彰さんが
語った本です。
毎日小学生新聞に連載の
「教えて! 池上さん」の記事を
加筆・編集したものです。
ただし、池上さんが表紙に出ている
割には、池上さん濃度が「薄い」と
感じる本でした。
第1部は、毎日小学生新聞の
元編集長、森忠彦さんが聞き手と
して、池上さんにインタビューを
しています。
ですから、池上さんが語りたいこと
というより、インタビュアーの質問
に答えているので、森さん主導で
進みます。
このパートが約60ページほど。
続く第2部は、「国際情勢・基本
おさらい編」として約150ページ。
ここでは、インタビューの中で
池上さんが語ったことについて、
小学生でもわかるように解説
しています。
このパートは、池上さんが監修を
しているのかもしれませんが、
特に執筆しているようには
感じられませんでした。
年表や地図を交えながら、
素朴な疑問に答えています。
・そもそもウイルスとは何ですか?
・感染症によって生まれた歴史に
残る成果とは何ですか?
・アメリカ大統領選挙の不思議な
仕組みとは何ですか?
・「ガザ地区」と「ヨルダン川
西岸地区」とは何ですか?
・イランはどんな国ですか?
これらの質問以外にも用語の解説
がわかりやすく掲載されています。
第3部は「各国指導者・資料編」
として15ページ程のおまけです。
米国・日本・中国の歴代の指導者
の一覧が顔写真付きで掲載されて
います。
したがって、本当に池上さんが
実際に語っているのは全体の紙面の
30%程度と思われます。
「 “ソーシャル・ディスタンス”
という言葉を使うことに私は
反対なんです。本来これは
“フィジカル・ディスタンス”
というべきなんですよ。
WHOもそう提言しています。
今、皆でやっているのは、
物理的な距離を保って感染を
広げないことなんですね。
“ソーシャル・ディスタンス”
だと、人間どうしで社会的な
距離を取れ、ということになって
しまいますよね。」
確かに、物理的な距離は離れて
いても、社会的にはつながって
いたいものです。
コミュニケーションをうまく取り、
「心の距離」を保つことは、
今、テレワークで働いている方の、
大きな課題でもあります。
コロナ関連以外では、米大統領に
関するトピックを多く扱っていて、
世界情勢と謳うには、ちょっと
偏りがある印象でした。
個人的には、もっと池上さんへの
インタビューのページを増やして
欲しかったところです。

日本を含む15カ国が結んだ
経済連携協定「RECEP」のポイントは、
以下のようにまとめられていました。
・RECEPができたことにより、
日本は中国ばかりでなく韓国
とも初めて経済連携協定を
結ぶことになります。
・輸出入にかかる関税を段階的に
減らしていくことになっていますが、
そのペースは緩やかなので、
私たちがRECEPの恩恵を感じるのは、
まだ先のことです。
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