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幸福の商社 不幸のデパート 僕が3億円の借金地獄で見た景色

2021年03月15日
マネー一般 0

幸福の商社 不幸のデパート 僕が3億円の借金地獄で見た景色
満足度★★★ 
付箋数:22 
posted with ヨメレバ
サンライズパブリッシングさんより
献本頂きました。ありがとうございます。

本書は、2011年に刊行された、
水野俊哉さんの本の復刊版。

そのため、本日のブログ記事も
当時のものを再掲しています。

 「実感として、借りている額が
 大きいほど貸し手が弱くなる傾向
 がある。1千万円以上の負債だと、
 貸したほうも無闇に追い込めない。
 なぜなら返済不能になった際に
 被る被害が大きいからだ。」

さすがに、3億円もの借金を
背負ったことのある方の言葉は、
説得力があります。

本書は、現在、出版プロデューサー、
作家として活躍する水野俊哉さんの
私小説です。

水野さんは、27歳ときに会社を興し、
2000年代初頭には、あと一歩で
上場というところまで会社を大きく
しました。

しかし、事業の拡大と共に会社の
負債も増えます。

そして、上場直前に起きたクーデター。

水野さんは、この内紛をきっかけに
会社から追放され、社長として
個人保障を入れていた3億円の借金
だけが残りました。

人は、億単位の借金をすると、
いったいどんな風景が見えるのか?

そして、そのどん底の状態から、
どのようにして復活できたのか?

実際のところ、億単位の借金をすると、
個人で地道に返済していくことは、
ほとんど不可能です。

特に、水野さんのように会社から
追い出されて、仕事もない状態では、
月々500万円もの返済ができるわけが
ありません。

 「水野君。世の中、知っているか
 知らないかで天と地ほどの差が
 出るよね」

これは、水野さんが借金を背負った
ときに相談していた事業再生
コンサルタントの川原愼一さん
の言葉。

水野さんは、川原さんに次のように
アドバイスされます。

 「まずはすべての支払いをストップ
 して、少ししてから各金融機関に
 利払いだけの返済にしてもらう
 ように条件変更の交渉をする」

そして、最終的に金融機関は
サービサーに債権を譲渡するので、
そこで減額や債権放棄の最終交渉を
するという戦略です。

簡単に言うと、踏み倒せるところは、
徹底して踏み倒すという方法。

これが中途半端な金額だったら、
簡単に債権放棄はできませんが、
それが億単位の借金になると、
逆に債権放棄しやすいようです。

実際に水野さんの負債の多くは、
サービサーに回ってから債権放棄され、
借金も貯金も仕事もない状態で、
水野さんは再スタートを切ります。

残されたのは膨大な時間だけ。

そこで、水野さんは以前だったら
見向きもしなかった成功本を
むさぼるように読みはじめます。

そして、自らが成功実験のモルモット
として、成功本に書いてある、
成功法則をすべて実践してみました。

その後『成功本50冊「勝ち抜け」案内
を執筆してからの水野さんのご活躍は、
周知のとおりです。

水野さんの人生は、3億の借金があった
どん底の時も、作家として成功した
現在も、一つにつながっています。

それは、その時々の選択が
創り上げた人生です。

そして、水野さんは、本書を次の
ように締めくくっています。

 「世の中には幸せも不幸も
 存在しないと僕は思っている。
 それを決めているのは結局は
 君自身の心なのだから。」

この本から何を活かすか?

本書は、堀江貴文さんの『拝金』と、
金森重樹さんの『お金の味』、
水野敬也さんの『夢をかなえるゾウ
を併せたような魅力があります。

今までの著書で明かされていなかった
心の闇の部分も書かれています。

しかし、意外とドライに書かれている
という印象があるので、個人的には、
もう少し生々しさを出して欲しかった
ですね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

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