活かす読書
ikadoku

ビジネス書・ベストセラー本・科学本を中心に13年以上、ひたすら本を紹介し続けるブログ。既に紹介した本は3700冊以上。

他人の悩みはひとごと、自分の悩みはおおごと。 なんで僕に聞くんだろう。

2021年03月11日
人生論・生き方・人物・哲学 0

他人の悩みはひとごと、自分の悩みはおおごと。 なんで僕に聞くんだろう。
満足度★★★★ 
付箋数:26 posted with ヨメレバ
連続して良い本と巡り合うことが
たまにあります。

今、まさにその波が来ている。

昨日の記事で紹介した本、
妄想する頭 思考する手
は今年最高の一冊でした。

本日紹介する本も、全く違う分野
ですが、それに劣らず面白い。

本書は「人生相談」の本です。

 「相談にのることが好きかと
 聞かれれば、ぼくは別に好き
 ではない。人の悩みを聞くと精神を
 消耗するので、どちらかといえば
 あんまり聞きたくないというのが
 本音だ。愚痴ばかりをいう人と
 一緒に食事をしたくないというのと
 似ていて、人の悩みを聞いている
 よりもたのしい話を聞いて、
 わらって美味しいものを食べて
 いるほうが生活の質は高い。
 じゃあなんで人生相談をやってんだ
 よって聞かれたら、相談されたから
 こたえているだけとしかいえない。
 悩む人からすればとても困っている
 のかもしれないし、もしかしたら
 追い詰められているのかもしれない。
 迷子になっている子どもを無視
 できないのとおなじことだ。」

人生相談といえば、かつては雑誌の
定番コーナーでした。

今から30年くらい前の話ですが、
私は「ホットドッグ・プレス」で
北方謙三さんが人生相談を受けていた
試みの地平線』の大ファンでした。

本書は、その時の人生相談の醍醐味
が蘇ってくるような思いがしました。

本書は、クリエイターと読者をつなぐ
サイト「cakes」に掲載された
人生相談をまとめて書籍化したもの。

著者というか、相談の回答者は、
ガンになった写真家として知られる
幡野広志さん。

幡野広志の、なんで僕に聞くん
だろう。
」2019年11月4日から
2020年6月22日までのコラムに、
加筆修正したものです。

最初に相談内容が書かれているので、
自分なりに、相談者がどうすべきかを
考えながら読んでみます。

しかし、幡野さんの回答は、
想像の範囲を超えることが多く、
目から鱗が落ちることもしばしば。

相談者の漠然としていた悩みの
問題点を明確にし、本質的な部分に
どんどん切り込んでいきます。

実際の相談と回答は、サイトに
アクセスして読んでいただいた方が
いいでしょう。

ここでは、「あとがき」にある
幡野さんの言葉を紹介します。

 「 “他人の悩みごとはひとごと、
 自分の悩みごとはおおごと。” 
 というのが悩みの本質だとおもう。
 ぼくはたくさんの相談に目を
 通してきて、いまのところそう
 結論づけている。
 前週の相談で恋愛相談にこたえれば、
 翌週には登場人物を少し変えた
 ような恋愛相談がたくさん届く。
 いろんな悩みにこたえているけど、
 どの悩みも翌週にはたくさん
 似たような悩みが届くのだ。」

内容だけでなく、文体までもが
似ている相談が届くそうです。

人の悩みや苦しさには鈍感で、
自分の苦しさに敏感であるほど、
視野が狭くなり、不寛容が始まる。

幡野さんはこの現象は、日本社会の
根底にある「他人への不寛容さ」と
結びついていると考えています。

私は本シリーズの前作が未読なので、
こちらもこれから読んでみます。
なんで僕に聞くんだろう。

この本から何を活かすか?

本書で女性の相談者に対して、
結婚相手の見極め方をアドバイス
していました。

 「彼氏ができて結婚するかどうか
 迷ったら、自分より立場の弱い
 人間に対して、どんな態度をとる
 かをよくみましょう。
 その態度はいつかあなたと子ども
 にする態度です。」

自分がどんな態度を取ってきたかを
考えさせられました。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

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