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ikadoku

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それはあくまで偶然です 運と迷信の統計学

2021年03月04日
数学 0

それはあくまで偶然です 運と迷信の統計学
満足度★★★★ 
付箋数:26 
posted with ヨメレバ
宝くじ売り場の人が、自分で宝くじ
を買うと、当たりやすいのか?

カナダのオンタリオ州で、
ちょっとした事件が起こりました。

ある高齢の男性が、自分で数字を選ぶ
ロトタイプの宝くじを、いつも同じ
数字を選んで購入していました。

その男性は、毎回売り場の店員に
宝くじを渡して、当たったかどうかを
確認していました。

あるとき、男性の宝くじは25万ドル
当たりました。

しかし、売り場の店員はそれを知らせず、
後で自分が宝くじを買ったことにして
賞金を受け取る不正を働きました。

後に、新聞で当選番号を確認した
男性は宝くじ会社に訴えました。

その結果、3年かけてようやく、
宝くじ会社を説得し、獲得賞金を
支払ってもらいました。

ただし、合意したことは内密に
しておくという、条件付きで。

さて、このような不正ケースは、
他の宝くじ売り場では起こっていない
のでしょうか?

それを数学的に証明した人がいます。

それが、本書の著者で、カナダの
トロント大学で統計学教授を務める
ジェフリー・S・ローゼンタールさん。

ローゼンタールさんは、データを集め
計算しました。

その結果、宝くじ販売者は5万ドル
以上の賞金を、合計で200回獲得して
いると推測しました。

確率から計算し、同じ頻度で購入する
一般の人が獲得する回数は57回。

確率と言っても、偶然があるので、
必ず同じ頻度で起こるとは限りません。

幸運が起こりえます。

果たして、宝くじ販売者は、運だけで
たまたま一般の人より多く当たったと
言えるのでしょか?

57回当たることが平均なのに、
200回当たる確率はどれぐらいあるのか?

ローゼンタールさんは、ポアソン分布
を使って確率をはじき出しました。

 「計算してみると、販売者が大きな
 賞金を200回以上獲得する確率は、
 1兆×1兆×1兆×1兆分の1よりも
 小さかった。これは想像を絶するほど
 小さい確率なので、偶然によっては
 絶対に起こらないはずだ。」

この結論をレポートすると、
カナダ全国でトップニュースとなり、
一大宝くじスキャンダルへと発展。

新聞の1面記事はもちろん、立法の
議論、2人のCEOの解雇、数件の
刑事訴訟、懲役、合計で2000万ドル
以上の支払いが絡む事件となりました。

スキャンダル後、宝くじ売り場は、
券を渡す際に、サインを義務付けたり、
当たり券を自動で確認できるシステム
を導入するようにもなりました。

本書は、そんな不正を暴いた実績の
あるローゼンタールさんのエッセイ。

統計学者の目を通して、それは
「あくまで偶然に起こる」こと
なのかを考察します。

 「本書は運や偶然や物事の意味合い
 がテーマで、たんなる思い込みや
 迷信、根拠のない主張を見破る
 知恵や、 “自分ではコントロール
 できないランダムな運を静穏に
 受け入れる力と、修正できる運を
 変える知識と、両者の違いを知る
 知恵” を授けてくれる。」

ローゼンタールさんの前著は
日本では2007年に刊行さていて
好評でした。

前著:『運は数学にまかせなさい

本書は、それに劣らず好奇心を
刺激する本です。

この本から何を活かすか?

乳幼児突然死症候群(SIDS)
という病気があります。

この病気は、遺伝する傾向が
強いと言われています。

ある夫婦に1965年から1971年に
かけて5人の子どもが生まれました。

しかし、その子どもはみなSIDSで、
赤ん坊のうちに亡くなりました。

これは、遺伝による不幸な偶然なのか?
それとも殺人行為があったのか?

このエピソードについては、
ぜひ、本書でお確かめください。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

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