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ikadoku

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リープフロッグ 逆転勝ちの経済学

2021年02月24日
経済・行動経済学 0

リープフロッグ 逆転勝ちの経済学 (文春新書)
満足度★★★★ 
付箋数:26 
posted with ヨメレバ
中国では、電子マネーが非常に
広い範囲で使われています。

「日本だって」と思うかも
しれませんが、中国とは比べ物
になりません。

アリペイやWeChat(ウィーチャット)
の利用者はそれぞれ10億人を突破。

屋台の支払いもアリペイ、
道端の物乞いもアリペイ、
子供に小遣いをあげるのもアリペイ。

旅行者も電子マネーを使わないと
買い物さえできません。

更に、中国の電子マネーは、
国内だけでなく、東南アジア諸国
でも使われるようになりました。

技術の面でも、QRコード決済から、
次の段階の「顔認証」に進みつつ
あります。

スマホを取り出さなくても、
カメラに顔を向ければ支払いが
でき、これで店舗の無人化も
可能となります。

中国の電子マネーは、日本より
何段階も先を行くだけでなく、
世界でも最先端を行っています。

なぜ、中国の電子マネーは
このように発達したのか?

その理由は、中国の「銀行システム」
が未発達だったから。

他の先進国では、電子マネーの
前の段階で、現金はATMから引き出し、
買い物の際にはクレジットカードが
利用されていました。

企業では小切手や口座振替が
利用されます。

しかし、これらの決済手段は
「銀行」口座があるからこそ
成立する仕組みです。

しかし、中国では中央銀行券も
偽札が横行する状態で、人々は
キャッシュさえ信用しない状態
でした。

そこに電子マネーという新しい
技術が登場しました。

そのため中国では、小切手や
クレジットカード、口座振替、
ATMという手段を飛び越えて、
電子マネーが急激に普及しました。

こういった現象のことを
「リープフロッグ」と呼びます。

リープフロッグとは、蛙跳びのこと。

蛙が何かを飛び越えるように、
それまで遅れていた国が、ある時、
急激に発展し、先をゆく国々を
飛び越えて、世界最先端に躍り出る
ことを指します。

これは後発的利益論の1つである
「キャッチアップ論」とは異なります。

キャッチアップは、先に行っている
国と差を縮めて追いつくだけですが、
リープフロッグでは完全に逆転して
しまうからです。

これは中国だけに起きた現象
なのでしょうか?

ヨーロッパにもリープフロッグを
起こした国があります。

それはアイルランド。

アイルランドは、30年前には、
日本の半分の豊かさしかありません
でしたが、いまや日本の2倍の
豊かさを誇るようになりました。

リープフロッグは、歴史で見ても
世界各国で起きている現象なのです。

本書は、世界中のリープフロッグの
事例を振り返り、今後、日本が
リープフロッグを利用して大逆転
することを検討する本です。

著者は、一橋大学名誉教授の
野口悠紀雄さんです。

歴史をリープフロッグという
観点から振り返るのは、
非常に興味深く新鮮でした。

凋落しつつある日本も、
リープフロッグを利用して、
復活して欲しいものです。

この本から何を活かすか?

リープフロッグは国だけでなく、
企業や個人のレベルでも起こると
野口さんは解説します。

しかし、ただ待っているだけでは
リープフロッグは起こりません。

リープフロッグは新しい技術が
登場したタイミングで起こります。

それまで逆転勝ちの可能性を信じ、
努力を続け、新しい技術が登場
したら、それを先行して徹底的に
使い倒すことが必要です。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

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