2040年の未来予測
2021年02月18日
2040年の未来予測
満足度★★★
付箋数:21
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成毛 眞 日経BP 2021年01月09日頃
タイトルの通り、本書は成毛眞さんが
2040年の未来予測を語る本ですが、
最も驚いたのは、予測の内容よりも、
こちらでした。
「マイクロソフト日本法人の社長
を退いたのは2000年だった。
それから執筆生活を本格的に
始めたので、今年で約21年になる。
マイクロソフトに在籍した期間は
約15年なので、物書きとしての
時間の方が長くなった。
書き始めて20年が経過したわけ
だから、当然歳を重ね、
気がつけば昨年の9月で65歳を
迎えた。共著も含めれば著作は
40作を超えた。疲れたわけでは
ないが、充電も兼ね、本書を
もって執筆活動を一休みしよう
かと考えている。」
いわゆる絶筆宣言が「おわりに」
に記されていました。
本書では、今から20年後の未来
について語っています。
20年後の世界は、誰にも等しく
やって来て、そのときは確実に
全員が20年、歳を取っている。
その未来の20年に思いを馳せる
うちに、成毛さんがマイクロソフト
を辞めてからの20年に重なった
のかもしれません。
20年前は、こんな未来になるとは
予想していなかったと。
未来予測本は昔からありますが、
その外れる確率は高くなって
いるような気がします。
「我々の生活は、水準は大きく
変わっていないのに、テクノロジー
が生活様式を根底から変えて
しまったのだ。
そして、これまでの10年より
これからの10年の方が世界は
大きく、早く変わるだろう。」
今まで以上に、世界は変わるので
未来予測は更に難しくなって
いくのです。
さて、成毛さんの2040年の
未来予測を見てみましょう。
・6Gで「低遅延」が実現し、
すべてのモノがインターネットに
常時接続される
・自動運転は条件なしに、場所を
問わずシステムが完全運転可能な
「レベル5」が実現化する
・「空飛ぶクルマ」が実現し、
日本の少子高齢化によって起こる
問題を解決するツールとなる
・コンビニやスーパーが無人店舗
になり、万引問題が解決する
・医療データベースから、
AIがより確実で効率よく
薬を処方できるようになる
・がんは確実に治る病気となり、
パーキンソン病やアルツハイマー病
は再生医療による治療が可能になる
・新聞は完全に絶滅危惧種となるが、
テレビは絶滅しない
・地銀消滅は決して可能性ではなく、
現実問題となる
・遺伝子編集した魚を食べないと
もたなくなり、人工肉や昆虫食も
普及する
・マンションの価値は下がり、
修繕できないマンションは
スラム化する
・貧しくなった日本にとっては
シェアリングエコノミーが不可欠
となる
重要なのは、未来予測が当たるか、
外れるかではではありません。
いろいろな可能性のある未来に対して、
今、何ができるかを考えて、
未来につながる行動を起こすことです。
本書はそのためのヒントとなります。

成毛さんは「老後2000万円問題」
にも言及しています。
勘違いして、老後のために2000万円
貯金しようとしている人がいると。
「そもそも “老後2000万円問題” は
老後のために “預貯金以外の金融
サービスを使って個人で老後資金を
つくりなさい” という金融庁の
メッセージだ。」
日本人の預金偏重はもうちょっと
改めたほうがいいでしょう。
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