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ikadoku

ビジネス書・ベストセラー本・科学本を中心に13年以上、ひたすら本を紹介し続けるブログ。既に紹介した本は3700冊以上。

細胞とはなんだろう 「生命が宿る最小単位」のからくり

2021年02月10日
科学・生活 0

細胞とはなんだろう 「生命が宿る最小単位」のからくり (ブルーバックス)
満足度★★★★ 
付箋数:27 
posted with ヨメレバ
 「じつは僕は、細胞の研究者ではない。
 どちらかというと、現在の僕の専門は、
 ウイルス学である。
 そして、そのなかでも巨大ウイルス学
 という、ウイルス学会でもほとんど
 相手にされない(興味を示されない、
 というべきか)特殊で辺境の
 マイナー学だ。(中略)
 そんな人間が、細胞のことを書いた。
 それがこの本なのである。」

海外に行くと、それまで当たり前
だと思っていた、日本の良さに
逆に気がつくことがあります。

本書は、そんな狙いからなのか、
細胞のことを知るために、
あえて細胞でも生物でもないウイルス
の視点から、細胞を語った本。

変な喩えですが、スイカに塩を
かけると、甘みが際立つような役割を
ウイルスが担っていると言っても
いいかもしれません。

細胞とは、一体、なんなのか?

そして生物はどのように誕生して、
どうやって進化してきたのか?

この秘密をウイルス目線から探ります。

著者は、東京理科大学理学部
第一部教授で、巨大ウイルス学を
主な専門とする武村政春さん。

本書を読むと、新型コロナウイルスや、
インフルエンザに罹る仕組みや、
ワクチンがどうやって効くのかも
わかります。

まずは、ざっくりした生物と細胞の
イメージです。

それは、魔法の国の「レンガの家」と
1つ1つの「レンガ」という関係。

 「泥棒が入ったことを察知して、
 自分自身を構成する一個一個の
 レンガでその泥棒を攻撃するような
 家ができたら面白いとは思うが、
 そういうことは、ハリー・ポッター
 の世界以外ではまずあり得まい。
 しかし、細胞の世界では、それが
 現実なのである。
 要するに、生物という “家” に
 とって、細胞というのは “レンガ” 
 であり、かつ単なる “レンガ” では
 なく、それ自身も “家” だったと
 いうことである。」

ちなみに、細胞であるためには、
3つの機能的条件が必要です。

1つ目は、細胞膜で覆われて、
外界と隔てられていること。

2つ目は、自己複製すること。

3つ目は、代謝をすること。

ウイルスとの違いを見てみると、
ウイルスには膜で覆われているもの
と覆われていないものがあります。

そして、自己複製と代謝の2つは、
ウイルスは決して自分たちだけ
ではできません。

だからこそウイルスは生物に
取り付ついて、タンパク質を作る
必要があるのです。

しかも、ウイルスが細胞に感染
するのは、細胞膜の人見知りな
性質を利用しているから。

細胞膜は、細胞を守るために、
外敵を簡単に中には入れません。

しかし、一見仲間のように見える
ウイルスは、いとも簡単にくっついて
中に入れてしまうのです。

 「 “ウイルス目線” で書いてくると、
 まるでウイルスのために細胞膜が
 存在しているかのように思えて
 しまう。実際にウイルスが細胞膜
 を利用することができるのは、
 細胞膜がとても柔軟で、機能的に
 できているからこそである。」

本書では、細胞膜から始まり、
リボソーム、ミトコンドリア、
細胞内膜系、細胞核の主要な5つ
のパーツを掘り下げて解説します。

語り口も軽妙で、非常に読みやすい
本になっています。

この本から何を活かすか?

「生物を2つに分けて」と言われると、
どのように分けますか?

多くの方は、「動物」と「植物」に
分けるのではないでしょうか。

一方、生物をよく知っている人は、
「真核生物」と「原核生物」に
分けることでしょう。

しかし、武村さんの分け方は違います。

「バクテリア」と「アーキア」の
2つに分けます。

アーキアとは古菌類のことですが、
真核生物もアーキアの分家の1つと
考えて、この分類になるようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

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