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ikadoku

ビジネス書・ベストセラー本・科学本を中心に13年以上、ひたすら本を紹介し続けるブログ。既に紹介した本は3700冊以上。

三行で撃つ 〈善く、生きる〉ための文章塾

2021年01月28日
文章術 0

三行で撃つ 〈善く、生きる〉ための文章塾
満足度★★★★ 
付箋数:28 
posted with ヨメレバ
買って大正解でした。

日本人なら、誰でも読んだ方が
いいと思える本。

必読書といってもイイぐらいです。

 「ちょっとはうまく書けたら、
 と思う人へ
 文章の書き方、その実用書を
 書くことにしました。
 生きるとは、文章を書くことです。
 社内稟議に回す企画書や外部に
 出す宣伝文、学生さんなら論文や
 リポート、ブログにツイッターに
 インスタグラム、はてはメールに
 LINE、時候の挨拶のお手紙と、
 文章を書く機会はたくさんあります。
 そこで、 “あの人の文章は、
 ちょっといい”  “彼女/彼はうまいよ” 
 と言われるようなレベル、目指す
 のはそこです。すぐに役立つ、
 だれでもできる、安くてよく効く
 テクニックを、20発、発射して
 います。 “隠し弾” はありません、
 知っていることは全部、書きました。
 残りの5発は、まあ、おまけみたい
 なものです。」

引用が長くなりましたが、本書は
魅力的な文を書くための本です。

冒頭の部分をそのまま引用したのは、
どのような文章を書く人なのかを
知っていただきたかったから。

そして、文章は書き出しを外すと、
次はないと表現しているからです。

著者は、朝日新聞編集委員で
日田支局長・作家・評論家として
活躍する近藤康太郎さん。

現在は九州の田舎山奥に住みながら、
百姓、猟師をしながらライター生活
を続けている、かなりユニーク
な方です。

猟師をしているだけあって、
鉄砲で撃つ喩えが頻繁に出てきます。

 「一発外すと、次はない。
 鹿や猪、鴨を追っている猟師は、
 それが体で分かっています。
 自動式銃だと三発は連続して
 撃てるのですが、最初の弾を外すと、
 次はまず、ないですね。
 山に、空に、獲物は逃げていく。
 文章と似ています。最初の一文、
 長くても三行くらいでしょうか。
 そこで心を撃たないと、浮気な
 読者は逃げていきます。
 続きなど読んでくれない。」

本書のような文章術の本でも、
最初の三行で読者の心を撃つことを
狙っていることは間違いありません。

読者を振り向かせるための一文。

 「野球の配球で言えば、一球目に、
 ビーンボールすれすれの、胸元を
 つくストレートを投げ込んでいる。
 捨て球だから、ボールでいい。
 (中略)またこの一球目が、
 単なる捨て球であってはならない。
 意味のある捨て球、全体の配球の
 なかで、三振をとる鍵となる一球
 になっていなければならない。」

猟だけでなく、他の喩えも出てきます。

若干、文章がうま過ぎて、グイグイ
読めてしまうので、肝心の文章術を
身につける前に読み切ってしまう
ことが一番の心配です。

実用書なのに「グルーブ感」が
ある文章。

近藤さんも書いているうちに、
ノッてきた感じが伝わってきます。

 「わたしが書いたのではない。
 言葉によって、書かされた。」

ですから、全体を読んで楽しんだ後に、
もう一度、技術を身につける目的で
読んだ方がいいような気がします。

全25章(25発)の内、1章~20章
までは、一般の読者向け。

「ホップ」と「ステップ」の2段構成。

続く21章~25章がプロ向け。
最後の「ジャンプ」に当たります。

この本から何を活かすか?

「すべる文章」を目指す。

ここでの「すべる」はウケない
の意味ではなく、ストレスなく
読める文章。

文章の摩擦係数を減らします。

そのためには「固有名詞」と
「数詞」を減らす。

「など」「いろんな」「さまざま」
の表現も見苦しいので撲滅する。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

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