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ikadoku

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医療崩壊の真実

2021年01月07日
科学・生活 0

医療崩壊の真実
満足度★★★★ 
付箋数:25 
posted with ヨメレバ
エムディーエヌコーポレーションさん
より献本頂きました。
ありがとうございます。

新型コロナウイルスの蔓延で、
「医療崩壊」という言葉を頻繁に
聞くようになりました。

マスコミの報道を聞いていると、
コロナウイルスの感染者が急増して、
「病床不足」によって医療崩壊が
起こるイメージが伝わっています。

しかし、実態は違っています。

 「客観的なデータに基づいて分析
 をすると、 “病床が足りなく
 なったら医療崩壊が起こる” 
 というのは、実は現在の日本の
 感染状況においては事実ではない
 からです。感情的な声に流される
 ことなく、客観的なデータに
 基づいて、新型コロナが医療機関
 にどのような影響を与えたのか、
 ということをしっかりと検証して
 いくことが重要と考えます。」

本書は、新型コロナで炙り出された
日本の医療提供体制の問題点を
データ分析によって示す本です。

著者は、国際医療経済学者で
データサイエンティストの
アキよしかわさん。

もう1人の著者は、グローバルヘルス
コンサルティング・ジャパン
代表取締役社長の渡辺さちこさん。

日本は先進国の中でも、病院数や
病床数は突出して多い国です。

しかも、第3波で新型コロナ患者が
急増しているといっても、欧米諸国と
比べると、まだまだマシな方です。

そんな中で、「病床数の不足」に
よって、医療崩壊は起きるのか?

本書での医療機関のデータ分析により、
炙り出された真実は、以下の通りです。

1.コロナ患者受け入れ病院における
 「専門医、ICU、治療機器」など
 医療資源分配の問題

2.コロナ患者受け入れ病床確保の
 難しさと、コロナ患者受け入れ
 潜在能力のある病院の存在

3.「コロナ患者重症度別治療と
 病床機能」のミスマッチ

こういった、分析を行っていくと、
日本の医療体制では、別の深刻な
問題が見えてきました。

それは、「立ち枯れ病院」の
経営危機の問題です。

日本の100万人あたりの病院数は、
英国の2倍、米国、イタリア、
スペインの3倍もあります。

患者から見ると、医療機関への
アクセスという点では、非常に
恵まれています。

しかし逆に、病院経営から見ると、
患者数が分散してしまっている
ことになります。

それを日本特有の入院スタイルで
補っているのです。

 「海外ではまず見かけない
 入院スタイルの実例です。
 簡単に言ってしまうと、入院する
 本来の目的である手術や検査を
 する数日前から患者は病院に
 入院し、薬を飲み、もしくは
 何もせず、1日3回の食事を提供
 され、ベッドで休むという
 入院スタイルです。」

海外では入院せずに行う治療も、
日本では入院させているケース
もあるようです。

それでも、病床稼働率は他国と
比べて低い状態にありました。

ですから、日本の病床数自体は
潤沢にあるものの、医療資源配分
の問題によって日本の医療崩壊は、
起こる可能性があるのです。

本書は、多くのデータを用い、
他国の状況と比較しながら現状分析
を行っているので、非常に説得力の
ある本でした。

この本から何を活かすか?

2020年は、肺炎、ウイルス性腸炎、
急性気管支炎、急性細気管支炎、
下気道感染症などの患者数が大きく
減少しました。

それは、手洗い、うがい、マスク着用
が、これまでにはありえないほど
徹底されたから。

また、外出自粛などによっても、
感染症が大きく減少した可能性が
あるようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

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