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ikadoku

ビジネス書・ベストセラー本・科学本を中心に13年以上、ひたすら本を紹介し続けるブログ。既に紹介した本は3700冊以上。

はやぶさ2 最強ミッションの真実

2020年12月24日
科学・生活 0

はやぶさ2 最強ミッションの真実 (NHK出版新書)
満足度★★★★ 
付箋数:28 
posted with ヨメレバ
宇宙航空研究開発機構(JAXA)の
小惑星探査機「はやぶさ2」。

同機はC型小惑星「リュウグウ」で
2回のタッチダウンを行ない、
サンプルを採取しました。

そして、その回収カプセルは、
2020年12月6日にオーストラリア
南部ウーメラ地区の砂漠に着地し、
回収を成功させました。

「はやぶさ1」のプロジェクトも
話題になり、映画化されましたが、
それ以上の偉業を成し遂げた
「はやぶさ2」。

1号機の帰還から1年後、はやぶさ2
のプロジェクトは正式発足。

そこから怒涛のごとく開発を進め、
2014年12月に打ち上げに成功。

低予算・短期間にも関わらず、
過酷な開発工程と想定外の運用を
乗り越え、7つの世界初の偉業を
実現しました。

はやぶさ2のミッションは難易度が
高すぎて、当初は開発スタッフも
不可能だと思ったほどでした。

 「(表を見ると)はやぶさと比べて
 格段に難易度が上がっていることが
 お分かりだろう。はやぶさの、
 1つでもできれば100点という
 加点方式から、はやぶさ2では
 小惑星への到着が最低ライン、
 サンプルを採取し地球へ帰って
 きてやっと1人前の成功となった
 のだから。
 こんな高レベルのミッション
 作れるのか!――はやぶさが
 なければ、我々技術者の誰もが
 そう思ったに違いない。」

はやぶさ2のプロジェクトチームは、
いかにして実現不可能と思えた
ミッションを成功させたのか?

本書は、困難を極めた開発から、
壮絶な訓練、そしてサンプル回収
までを描いたノンフィクション。

著者は、2015年にはやぶさ2の
プロジェクトマネージャーに就任
した津田雄一さん。

本書は、津田さん初の著書です。

第1章 「二号機」への胎動
第2章 はやぶさ2の計画づくりと設計
第3章 開発の苦闘から打ち上げへ
第4章 リュウグウへの飛行と運用訓練
第5章 着陸を目指せ
第6章 50年に1度のチャンスを掴み取れ
第7章 地球帰還へ

技術的な解説はもちろん、開発者
にしかわからない心情の変化も含め、
全編が手に汗握るドキュメントに
なっています。

私が、あらためて知ったのが、
はやぶさ2が、「小惑星」を
目指した理由について。

リュウグウは、丸くありません。

この形こそが、実は科学的には
重要な意味を持っていたようです。

 「小天体はその形のいびつさが、
 大昔の状態のままであることを
 物語っている。さらに、小天体は
 その小ささ故に風化や侵食がない。
 だから、小天体は太陽系ができた
 時の状態をそのまま保持している
 可能性が高い。小天体が “太陽系
 の化石” と呼ばれる所以である。
 私たちの地球の環境や太陽系の
 歴史をひも解くためには、
 小天体を調べることがとても
 大きな意味を持つのだ。」

本書は、科学的偉業を達成した
記録であると同時に、困難な
プロジェクトを成し遂げた
チームの軌跡でもあります。

メンバーがどのように関わって、
チームワークを発揮したのか、
その成長のプロセスは、一般の
企業のチームでも参考になります。

この本から何を活かすか?

はやぶさ2では、リュウグウでの
2回のタッチダウンにこだわりました。

なぜ、2回の着陸が必要なのか?

 「科学的には、月以外の天体の
 物質を複数地点から採取し持ち帰る
 ことは、人類は実現したことがない。
 同じ天体の2地点以上の物質を
 比較できることの科学的な価値は、
 たった1点から持ち帰ることより
 はるかに高い。」

はやぶさ2のプロジェクトは、
科学者にとっては夢にしか見た
ことがない至高の領域だったのです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

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