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ikadoku

ビジネス書・ベストセラー本・科学本を中心に13年以上、ひたすら本を紹介し続けるブログ。既に紹介した本は3700冊以上。

不思議な島旅 千年残したい日本の離島の風

2020年12月21日
旅行・アウトドア 0

不思議な島旅 千年残したい日本の離島の風景 (朝日新書)
満足度★★★
付箋数:23 
posted with ヨメレバ
著者の清水浩史さんより献本頂きました。
ありがとうございます。

 「全国の島をめぐって気づかされる
 変化とは、いったい何だろう。
 やはり島の少子高齢化にともなう
 人口の減少だ。小さな島では、
 休校や廃校となった学校跡を
 しばしば目にする。今や小学校の
 ない島は全国で約4割、中学校の
 ない島は全国で約5割にものぼる。」

本書は、失われつつある離島の
暮らしや風景を綴った本。

著者の清水浩史さんといえば、
これまでも『秘島図鑑』や、
幻島図鑑: 不思議な島の物語
などを執筆してきた方。

写真を使った本が多かったですが、
今回は文章だけで島の情景を
伝えています。

島の住民の高齢化が進み、
人口が減っていくと、
その先にあるのは無人化です。

そうすると、島に残っていた
独自の文化が消えていきます。

 「人口の少ない島――とくに
 人口が1桁の島に注目したい。
 やや悲観的な見方ではあるものの、
 人口が10人を下回ると、島が
 遠からず無人化してしまう
 可能性も考えられる。その数を
 調べてみると、全国で39島あった。
 人口1桁のなかに、人口ひとり
 だけの島も2島あった。
 さらに独自で調べたところ、
 あと3島あった。」

・熊本県天草市の横島
・長崎県小値賀町の野崎島
・長崎県五島市の黒島
・長崎県小値賀町の六島
・沖縄県渡嘉敷町の前島

これら5つの島が、2020年現在、
人口1人だけの島です。

島でたった1人で暮らしている方は、
どんな気持ちで過ごしているのか?

本書では2019年3月に黒島を
取材した様子が書かれています。

住民の山中マサ子さんは71歳。

 「黒島には、うららかな春の
 陽射しが降り注いでいた。
 ひとりだけの住人となった
 マサ子さんに話を伺いながら、
 島をゆっくり歩く。
 集落には住人のいなくなった
 家屋が40軒ほど連なっている。
 比較的新しい家屋が多く
 見られるのは、近年になって
 島を離れた人が多いことを
 物語っている。マサ子さんは
  “(ひとりで島に暮らすのは)
 気楽です”  “ここでずっと
 暮らします” と、朗らかに
 語ってくれる。」

「黒島の歴史を守りたい」という
意思や、「ひとりで淋しい」と
いった寂寥感を、マサ子さんは
いっさい口にしないそうです。

その代わり「毎日気楽で愉しい」
ということを何度も口にする。

その様子は、島で暮らせる
ありがたみを日々噛みしめている
ように見えたそうです。

毎日墓地を訪れ、島の歴史に
思いを馳せながら暮らす。

 「ひとりで暮らしていても、
 ひとりではない。先人や島の
 自然とつながっている。
 そんな思いが、きっと日々の
 安らぎになっている。」

少し切ない旅情感を残しつつ、
島の原風景やそこで暮らす人々の
様子を伝えています。

この本から何を活かすか?

鹿児島県の桜島沖に浮かぶ新島は、
無人島から有人島に戻りました。

一度、無人化した後に、また人が
住むのは、かなり希少な例です。

6年間無人だった島に、2019年に
1世帯2人が移り住みました。

一旦無人化した島を再生するには、
相当なお金と労力がかかります。

新島に移り住んだご夫婦の想いは、
是非、本書を手にとって感じて
いただきたいと思います。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

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