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ikadoku

ビジネス書・ベストセラー本・科学本を中心に13年以上、ひたすら本を紹介し続けるブログ。既に紹介した本は3700冊以上。

AIの壁 人間の知性を問いなおす

2020年11月19日
人生論・生き方・人物・哲学 0

AIの壁 人間の知性を問いなおす (PHP新書)
満足度★★★ 
付箋数:22 
posted with ヨメレバ
人間同士がお互いに理解し合うのは、
根本的には無理。

ヒトは理解できない相手のことを
「バカ」だと思う生き物だ。

このような内容の養老孟司さんの
バカの壁』が大ベストセラーに
なったのは2003年のことでした。

その年の新語・流行語大賞の1つに
選ばれるほど、大きなインパクトを
残しました。

それ以来、「壁」シリーズと言って
いいかどうかわかりませんが、
養老さんは、「○○の壁」という
タイトルの本を多数執筆しています。

本書も、そんな中の一冊。

養老さんが、4人の方と「AIの未来」
をテーマに対談した本。

 「対談相手である羽生善治さんも
 井上智洋さんも、直接AIを対象に
 仕事をされているわけではない。
 むしろAIの影響が非常に大きい分野
 であろうということで、ご意見を
 伺いたいと考えた。岡本裕一朗さん
 には、AI社会が進展した場合に
 生じ得る基本的な諸問題についての
 お考えを伺うことができた。
 新井紀子さんの場合には、
 そのお仕事と結論に大いに感銘を
 受けた。」

プロ棋士の羽生善治さんとは、
AIから逆に見えてきた、
人間の可能性について。

経済学者の井上智洋さんとは、
経済がAIによって、どのように
変わっていくかについて。

哲学者の岡本裕一朗さんとは、
AIから人間を哲学する可能性に
ついて。

AIプロジェクトに携わっていた
新井紀子さんとは、わからないことを
面白がれる人間の脳について。

養老さんはそれぞれの方と、
がっぷり四つで対談しています。

養老さんは、AIを「高級な文房具」
程度にしか、考えていません。

そのためAIに幻想は抱いておらず、
むしろ否定的。

だからこそ、AIから翻って、
AI時代の人間の可能性について
話しを深めていきます。

 「全体の背景にある私の思いと
 しては、一方では極めて安易に
  “これからはAIだ” となって
 しまう雰囲気があることを警戒
 している。とくに中国や韓国で
 行われたことは、当然日本も
 やらなければならないという
 雰囲気が目立つように思う。
 自分自身の必然から出ていない
 ことをする癖がこの国の社会に
 あることを心配する。
 本当に自分に必要なものは何か、
 それを考えるのが大切だと思う。」 

養老さんは、AIを否定的に見る
ことで、あらためて人間の知性
との違いを浮き彫りにしています。

あれだけ話題になった人工知能
「アルファ碁」が、人間のプロに
勝ったことも、たいしたことだと
思いってません。

 「だって、人間の100メートル
 競争に、いきなりオートバイが
 選手として出てくるわけねえ
 だろうって、いつも言っている
 から(笑)。囲碁・将棋などの
 目的に特化しているAIプログラム
 ですから、そんなのにかなうわけ
 ないでしょうって。」

AIに脅かされる側の羽生さんは
その進化を冷静に見極めていて、
逆にそれほど否定的ではないのが
印象的でした。

この本から何を活かすか?

有名になった「トロッコ問題」は、
功利主義と義務論の選択に置き換え
られるといいます。

功利主義と義務論ののどちらかの
考えを、AIに搭載することは可能。

ただし、どちらを搭載するかは、
誰も決めたがりません。

なぜなら、「誰が決めた?」という
責任論になるからです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

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