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ikadoku

ビジネス書・ベストセラー本・科学本を中心に13年以上、ひたすら本を紹介し続けるブログ。既に紹介した本は3700冊以上。

脳はすこぶる快楽主義 パテカトルの万脳薬

2020年11月13日
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脳はすこぶる快楽主義 パテカトルの万脳薬
満足度★★★★ 
付箋数:25 
posted with ヨメレバ
神経の可塑性を研究することで、
脳の健康や老化について探求している
脳研究者の池谷裕二さん。

第一人者として最先端の研究を
続けながら、継続的に一般向けの
科学エッセイなどを執筆しています。

それら一般向けの本に「外れ」が
全くないのが、池谷さんです。

そんな池谷さんが「週刊朝日」で
2012年から現在(2020年11月)まで
連載を続けているコラムが
「パテカトルの万脳薬」です。

本書は、それを書籍化した
シリーズ第3弾。

第1弾『脳はなにげに不公平
第2弾『できない脳ほど自信過剰

第3弾は、2015年1月から2016年3月
までの連載分をまとめたものです。

池谷さんは、研究が忙しいさなか、
どのようにしてネタを見つけて
エッセイを書いているのか?

 「毎日その日に出た学術論文を
 少なくとも100報、普通は200報
 ほどに目を通しています。(中略)
 そうしたなかでも、とくに
  “みなさん、この論文、見て!” 
 と言いたくなるような興味深い
 発見があります。それを連載
 エッセイに綴るのです。
 1週間で延べ1千報以上の論文を
 チェックしていますから、
 記事で取り上げられた論文は、
 上位0.1%に入る、選りすぐりの
 エリート知見です。」

このような選考を経て学術論文が
一般向けに翻訳されているので、
池谷さんのエッセイは質が高く
面白いのです。

本書には、全部で61本のエッセイが
収められています。

その中から、私が気になったネタを
1つ紹介しましょう。

 「人は美男美女が好きです。
 大好きすぎて “人は見かけで判断
 してはいけない” とわざわざ諌め
 なくてはならないほどです。
 だから口では “ヒトは顔ではない” 
 と取り繕ってみせるものの、いざ、
 ボタンを押して画面に表示された
 顔を次々に切り替える実験をすると、
 美男美女の写真でボタンを押す
 時間が長くなります。」

こういったヒトの深層心理を
明かしつつ、もう少し科学的な
根拠にも言及します。

 「美人を眺める時の脳の活動を
 記録すると、眼窩前頭皮質を含む、
 報酬系全般が活性化していることが
 わかります。これらの脳部位は、
 お金を獲得した時に活性化する
 部位と同じです。つまり美人を
 眺めることは “報酬” なのです。
 一方、ブサイクを見た時には、
 お金を失った時に活性化する
 脳部位が活動します。
 これは “罰” です。あまりに露骨
 すぎて、もはや言葉を失いますが、
 しかし、これが脳が語る真実です。」

元になった学術論文にどこまで
書かれていたかはわかりませんが、
一般向けの魅力的な文章に変換する
力はスゴいですね。

本書には、他にも興味深いネタが
満載されています。

・馬鹿正直な不正直
・クセはボーッとした脳に宿る
・読書はなぜ大切なのか?
・浮気と一途
・知能とは察して対処する能力
・冗談は強力な武器になる

本書が、あなたの知的好奇心を
刺激することは間違いありません。

この本から何を活かすか?

ビルの複数台あるエレベータが、
みんな同じ方向へ動いていて、
なかなか来なくてイライラした
経験はありませんか?

もっとバランスよく運行すれば
いいのにと思います。

 「これは意地悪ではなく、
 自然現象として勝手にシンクロして
 しまうのです。専門的にいえば
 “自己組織化による創発現象” 
 です。」

自然の摂理だとわかっていると、
少しイライラが収まるかもしれません。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

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