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ikadoku

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競馬も「自然」との闘いだ スポーツx気象の分析

2020年10月23日
科学・生活 0

競馬も「自然」との闘いだ スポーツx気象の分析
満足度★★★ 
付箋数:22 
posted with ヨメレバ
サンライズパブリッシングさんより
献本頂きました。ありがとうございます。

2000年のシドニーオリンピックで
日本女子陸上界初の金メダルを獲得した、
高橋尚子さん。

ゴール後の笑顔で、Qちゃんの愛称で
呼ばれる国民的アスリートでした。

高橋さんは、1998年の名古屋国際女子
マラソンから、シドニー五輪をはさみ、
絶対的な強さを誇りました。

2001年のベルリンマラソンでは、
女子初の2時間20分突破となる当時の
世界記録を樹立しています。

そんな黄金時代に高橋さんが挑んだ、
2003年11月16日の東京国際女子マラソン。

アテネ五輪の代表選考となる重要な
レースで、試合前から「代表確定」の
期待感が高まっていました。

高橋さんは沿道の熱いファンの声援を
受けて、向かい風がかなり強に中で、
前半から積極的なレース運びをします。

あっという間に先頭グループは、
高橋さんとエチオピアのアレム選手の
2人だけになっていました。

高橋さんは、中間点を過ぎてから、
追い風に変わったのを勝機と捉え、
一気にスパートをかけます。

完全に独走状態となり、勝負はついた
と思われましたが、30キロ手前から
突如失速します。

高橋さんに声をかける小出監督にも
明らかに焦りが見えていました。

そのまま終盤にスタミナ切れを
起こした高橋さんは、39キロ地点で
アレム選手に抜かれて、2位でゴール。

期待感が高かっただけに、ゴール直後、
苦しい表情を見せる高橋さんの様子は
歴史的惨敗のように映りました。

マラソンの連勝記録も6でストップ
するだけでなく、アテネ五輪の
代表権を逸することになりました。

このレースで、高橋さんに一体
何が起こったのでしょうか?

本書の著者、スポーツウェザー代表で
象予報士の三宅誠さんは、
「風に負けた」と指摘します。

 「中間点までは強風により、
 体感気温を10度も下げる効果が
 あったのに対し、中間点以降は
 無風に近く、体温を下げる効果が
 なくなったどころか、逆に、体感的に
 10度上昇したと考えられます。
 その影響か、終盤にスタミナ切れを
 起こし、中間点まで前半のタイムが
 1時間10分3秒であったのに対して、
 後半は1時間17分18秒と大失速。
 代表選考の基準とはほど遠い記録
 となってしまいました。」

アテネの金メダル候補が敗れたのは、
「気象」が原因だったのです。

このようにスポーツには気象条件
が大きく影響します。

気象条件を味方につけて勝つことも
ありますが、逆に、その気象をうまく
活かせないと、敗因にもなります。

 「気象を知り、味方につけることで
 能力以上の結果を出し、歴史的な
 大逆転(ジャイアントキリング)を
 生み出すことが可能です。」

本書は、スポーツ競技に対する
気象コンディションの影響を分析し、
解説した本です。

主にゴルフ、野球、競輪、競馬への
気象の影響を解き明かします。

三宅さんは「競馬天気」編集長も
務めるだけあって、競馬に関する
分析が一番詳しく紹介されています。

スポーツの勝敗を予想するに当り、
気象という新しい視点を与えてくれる
興味深い本でした。

第1章 気象と「風」を知る
第2章 風は武器になる
 ~野球・競馬における影響力~
第3書 競馬は天気で予想する
 ~季節馬は天気で特定できる~
第4章 「風」という競馬の
  新たな視点
第5章 気象データが競馬を
  もっと楽しくする

この本から何を活かすか?

千葉マリンスタジアム、神宮球場、
横浜スタジアムは、ホームランが
出やすい球場として知られています。

ホームランが出やすいのは、
「風」の影響を受けているから。

一部の選手はこの気象条件を知って、
「高い飛球」を放ち、ホームランを
狙っているようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

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