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ikadoku

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歴史秘話 外務省研修所~知られざる歩みと実態~

2020年09月01日
社会・国家・国際情勢 0

歴史秘話 外務省研修所~知られざる歩みと実態~ (光文社新書)
満足度★★★ 
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吉田茂さんは、1932年、在外公館査察使
としてワシントンを訪問しました。

そのときに元大統領の補佐役だった、
エドワード・ハウス大使に面会し、
次のように言われました。

 「外交の勘のない国は亡びる」

国家の命運を左右する、外交センス。

その重要な役割を担うのが外務省であり、
外交官です。

日本は、これまでどのようにして、
外交官を養成して、外交のセンスを
磨いてきたのでしょうか?

本書は、その舞台となる外務省研修所の
歴史と実態を綴る本。

明治維新が成立すると、ただちに
外交を司る役所が作られました。

その後、何度か名称を変え、外務省と
いう名称が用いられたのは1869年。

そして外務省研修所は、1946年に
日本が主権を失い、外務省が機能を
縮小したさなかに設立されました。

日本が生き残りを賭けて設立した、
外務省研修所では、一体、どのような
研修が行われているのでようか?

本書は、外交官の片山和之さんが、
まだ現役の外務省研修所長だったときに
著した本です。

 「2019年は、外務省が設置されて
 ちょうど150年の節目に当たる。
 このような時に、たまには
  “切った、張った” の華やかな
 外交の表舞台とは対極に位置する
 地味な世界とも言える研修所の役割を
 見つめることは、意味のないことでは
 ないだろう。」

国家公務員採用総合職試験に合格し、
外務省に入省した人は、一般的に
「キャリア外交官」と呼ばれます。

彼らは、「第2部研修」と外務省で
位置づけられる、語学研修や外務講義
の研修を受けます。

国内研修は3段階あり、約2年3ヶ月
かけて、語学力や実務などを養成。

その後、入省3年目の夏より、
2年または3年の在外研修のため、
各国の大学や大学院へ海外赴任します。

では、外交官にはどのような資質が
求められているのか?

本書では20世紀前半に活躍した
英外交官のハロルド・ニコルソンさん
が挙げた、7つの要件を紹介しています。

1. 誠実(Truthfulness)
2. 正確(Precision)
3. 平静(Calm)
4. 機嫌(Good Temper)
5. 忍耐(Paitience)
6. 謙虚(Modesty)
7. 忠誠(Loyalty)

 「権謀術数、騙し騙され、また、
 時として条約が “一片の紙切れ” 
 として扱われ、英国の首相
 パルマーストンの名句である
  “英国には永遠の友も敵もなく、
 国益のみが永遠である” という
 冷徹な側面が外交の世界にある
 ことは、否定できない事実である。
 お人好しでは外交官は務まらない。
 しかしながら、国家の長期的な
 信用と安全、そして繁栄を確保する
 ためには、ニコルソンの唱える
 外交官の資質はやはり必須の要素
 であると考える。」

なかなか部外者には実態がわからない
外務省研修についてレポートされて
いることは貴重です。

しかしながら、片山さんが現役の時に
書いている本だからか、報告書的で
面白みには若干欠ける感じがしました。

第1章 外務省の誕生と外交官の育成
第2章 外交の「勘」を養うために
第3章 外交官の資質
第4章 国内外の公務員研修所

この本から何を活かすか?

一般的に、「学閥」があるイメージの
外務省ですが、片山さんはその存在を
否定しています。

 「(実態として)東大卒が半数以上
 であるが、卒業大学とその後の
 経歴とは関連性がない。そもそも
 省内で出身大学が話題になることは
 ほとんどない。」

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この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

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