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ikadoku

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芸術的創造は脳のどこから産まれるか?

2020年08月31日
アイディア・発想法・企画 0

芸術的創造は脳のどこから産まれるか? (光文社新書)
満足度★★★ 
付箋数:24 
posted with ヨメレバ
人の創造的発想は、どこからやって
くるのでしょうか?

創造的発想の過程に関する研究は、
これまで長きに渡って、多くの方が
取り組んできました。

その中の1つに、英国の社会心理学者
グラハム・ワラスさんが提唱した
4段階のモデルがあります。

1.準備期
 まず最初に達成すべき目標や、
 解決すべき問題を設定します。

 ここでは主に論理的思考を使います。

2.あたため(孵化)期
 一度問題から離れて休息したり
 無関係なことをしたりします。

 意識的に問題から離れているので、
 完全に忘れているわけではなく、
 脳内では潜在的に思考が行われて
 います。

3.ひらめき期
 ここで創造的発想が生まれます。

 前段階では、意識上では解決に向け
 何も取り組んでいなかったので、
 突然、創造的な解決策が降ってきた
 ような感覚になります。

4.検証期
 ひらめいた解決策が実際に正しいか
 どうかを確認する作業が行われます。

 この段階でも論理的思考が行われます。

 「この4段階モデルは、創造性の創出
 プロセスを大雑把に表現したもので、
 常にこのモデル通りに創造性が生まれて
 くるわけではなく、行ったり来たり
 するのが一般的です。筆者の主観と
 しても、このモデルは創造的発想の
 プロセスをうまく説明していると
 感じます。」

本書は、これまで世界中で行われてきた
人間の「創造性」に関する研究を
紹介する本です。

著者は、ケンブリッジ大学で音楽の
神経科学を研究する大黒達也さん。

大黒さんは、300本以上の論文を基に
創造性について考察しています。

興味深いのは、ただ研修結果を紹介
するのではなく、どのようにして、
私たちの生活に取り入れるかについて
考えている点です。

ここでは、その創造性を身につける
生活習慣をいくつか紹介します。

1つ目は、暇な時間をつくること。

これはワラスさんの「孵化期」に
相当します。

「マインドワンダリング」と呼ばれる
心ここにあらずの状態が創造的思考を
促すとも言われています。

2つ目は、十分な睡眠を取ること。

十分な睡眠は様々な記憶を整理したり、
組み合わせるなどして、創造力や
記憶力を高めることが知られています。

睡眠不足の人が、睡眠時間を十分に
確保するだけで、創造性や生産性は
確実に向上するようです。

3つ目は、あらゆる人や事柄を
受け入れる気持ちを持つこと。

脳は、新しい情報を理解することで、
内発的な報酬を得ることができます。

この報酬を得たいがために、
できるだけ新しい情報に興味を
持つのです。

本書の前半では「音楽」と脳科学や
潜在記憶との関連性を紹介しています。

また、後半では脳の成長に合わせた
年代別の教育方法を紹介します。

更に、脳の機能から外国語を
どのように学ぶのがよいかについても
考察しています。

若干専門的で、かなり情報量が多い本
と感じるかもしれませんが、
本書で新しい情報に触れることが、
脳にとっては報酬となるはずです。

この本から何を活かすか?

大人は理性をコントロールしたり、
他人の気持ちを察したりして、
社会的トラブルを避けることができます。

しかし、その一方で自分のこれまでの
知識や社会的常識などのような固定概念
にとらわれやすくなります。

これを「機能的固着」と呼ぶようです。

「海外」に興味を持ち、実際に住んだり、
できるだけ多くの文化に触れることが、
機能的固着から解放される1つの方法
として紹介されていました。

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この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

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