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ikadoku

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ポストコロナの経済学

2020年08月20日
経済・行動経済学 0

ポストコロナの経済学

満足度★★★★
付箋数:27

 「人間の既成概念とは、案外もろい
 ものだ。例えば、陸上競技の
  “走り高跳び” で、今では常識と
 なった “背面跳び” は、1968年の
 メキシコオリンピックで誕生した。
 最初に米国のディック・フォスベリー
 選手が背面跳びを行った際、多くの
 観客はその奇妙で非常識なフォームに
 驚いた、と伝えられている。
 筆者は、近い将来、テレワークや
 遠隔治療などが当たり前となり、
 かつて多くの社員が満員電車に
 揺られて職場に通勤していたことが、
 昭和・平成の日常の一コマとして
 日本史の教科書に載る日が来ると
 確信している。」

2020年8月現在、新型コロナウィルス
感染症は世界中で猛威を振るい、
収束する気配は全く見えません。

人々は早急にワクチンが開発される
ことを、待ち望んでいます。

しかし、ワクチンが開発されて、
この感染症が収束したとしても、
ポストコロナの世界は以前とは
大きく異なることでしょう。

それは「新常態(ニューノーマル)」
と呼ばれる、全く新しい世界です。

本書の著者、大和総研専務取締役、
調査本部長チーフエコノミストの
熊谷亮丸さんは言い切ります。

コロナ前の世界に戻れるというのは、
政治家が喧伝する完全な「幻想」だと。

本書では、ポストコロナで起こる
8つのグローバルな構造の変化を軸に、
私たちがポストコロナをどう生きる
べきかを考察します。

8つの構造変化は、以下の通りです。

1.「グローバル資本主義」から、
 SDGsを中心に据えた「ステーク
 ホルダー資本主義」への転換

2.格差拡大を受けた、反グローバリズム
 ・ナショナリズム台頭のリスク

3.米中対立が激化し、「資本主義
 vs共産主義」の最終戦争へ

4.グローバル・サプライチェーンの
 再構築

5.不良債権問題が深刻化し、
 潜在成長率が低下

6.財政収支が軒並み悪化し、財政政策
 と金融政策が融合に向かう

7.リモート社会(非接触型社会)が
 到来し、企業の「新陳代謝」が
 重要となる

8.中央集権型から分散ネットワーク
 への転換

ちなみに「SDGs」とは、Sustainable
Development Goals(持続可能な開発目標)
のことです。

それでは、この8つのグローバルな
構造変化の中で、日本と私たちは
どうすべきなのでしょうか?

本書では、日本の強みと弱みを踏まえ、
すべきことの提言を行っています。

その中で、私が注目したのは、
「感染症へのレジリエンスのある
社会の構築」という指針です。

感染症と人類の戦いは長期化を覚悟
すべきです。

そのため、私たちが目指す最終目標は
感染症の「制圧」ではなく、「共存」
する社会。

本書では、感染症へのレジリエンス
のある社会構築のために3つの条件を
挙げています。

1つ目は、医療崩壊のリスクがないこと。

2つ目は、リモート社会が実現して
いること。

3つ目は、世界的にSDGsが推進され
環境破壊や所得格差拡大に歯止めが
かかっていること。

本書は、多角的に考察することで、
私たちが迎えるべきポストコロナ時代を
明確に示している良書だと思います。

この本から何を活かすか?

熊谷さんは、ポストコロナ時代に、
個人として学ぶべきことを2つ
挙げています。

1つは、リベラルアーツを学ぶこと。

これは思考を深める意味で極めて
重要な意味を持つようです。

もう1つは、経済や金融についての
知見を深めること。

特に、資産運用を行うに当たっての
「金融リテラシー」向上が求められて
います。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

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