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ikadoku

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生命はデジタルでできている 情報から見た新しい生命像

2020年08月04日
科学・生活 0

生命はデジタルでできている 情報から見た新しい生命像 (ブルーバックス)
満足度★★★ 
付箋数:24 
posted with ヨメレバ
DNAはデオキシリボ核酸の省略形で、
デオキシリボースとリン酸、塩基
から構成される核酸です。

この中の塩基を構成するのは、
アデニン(A)、チミン(T)、
グアニン(G)、シトシン(C)の
4種類しかないことが知られています。

このATGCが二重螺旋構造で並んでいる
点においては、人間もバクテリアも
同じです。

違いは何かというと、並び方と長さです。

普通のバクテリアのDNAは数百万塩基
の長さしかないのに対し、ヒトの
DNAは総長30億塩基の長さがあります。

この生物のDNAという名の設計図は、
A、T、G、Cという4種類の記号の
並び方で記録されたデジタルデータと
考えることができます。

では生物はどのようにデジタルデータを
読み出しているのでしょうか?

それはデジタルデータの音楽を
再生する仕組みに似ています。

例えば、ダウンロードした何千もの曲が
スマホの中に入っているとします。

そうすると、毎回、端から同じ順番で
聞いていく人は少ないでしょう。

普通は聞きたい曲のプレイリストを
作って、それを再生します。

生物のDNAも長大な情報から直接読み出し
を行うのではなく、短い部分のコピーを
作ってからプレーヤーにかけて、
再生を行っているのです。

この短い部分のコピーがRNA。

RNAはDNAと同じように4種類の分子
から構成されていますが、チミン(T)の
代わりにウラシル(U)が使われます。

RNAはDNAに逆変換できる
完璧なコピーになっています。

それでは、RNAが音楽のプレイリスト
であるとすると、楽曲に相当するものは
何なのでしょうか?

つまり、RNAを再生すると何が
生まれるのか?

それは私たちの日常にもよく登場する
タンパクです。

タンパクもDNAやRNAと同じような
有限種類の分子が一次元的に繋がった
長い紐なのです。

生物は、38億年前の太古の時代から、
ゲノムに刻まれたデジタル情報を
使いこなしてきました。

地球上に存在する生命は例外なく、
デジタル情報の使い手だったのです。

本書はデジタル情報から見た
新しい生命像を描く本です。

著者は、機械学習などを応用した
バイオインフォマティクスの研究を
行っている田口善弘さん。

本書では、「DIGIOME(ディジィオーム)」
という造語を導入して、デジタル処理系
としてのゲノムを解説します。

ゲノムを構成するDNAが生命の設計図
であることは知られていますが、
本書ではゲノムをデジタル情報処理装置
として捉える見方を提案します。

ゲノム、RNA、タンパク、代謝物と
順を追って説明し、本書が最後に
扱うのは「マルチオミックス解析」です。

マルチオミックスとは、ゲノムから
代謝物まで一つひとつではなく、
すべて一括して分析する手法です。

田口さんは、喩え話を多用して解説
するので、生物を専攻していない方でも
なんとか理解できる本だと思います。

個人的には面白い視点が得られて、
新鮮な驚きがありました。

 第1章 ゲノム
 第2章 RNAのすべて
 第3章 タンパクのすべて
 第4章 代謝物のすべて
 第5章 マルチオミックス

この本から何を活かすか?

花粉症の薬と知られる「アレグラ」。

そのパッケージには「眠くならない」
ことが謳われています。

これはアレグラ以前の花粉症の薬は、
副作用で眠くなり、アレグラには
その副作用がないことを言っています。

アレグラ以前の薬は、標的外の
受容体に誤って結合してしまうので、
この副作用がありました。

しかし、アレグラは花粉症に関連する
受容体だけに特異的に結合するので、
眠くなる副作用がないのです。

本書では「弱いクローン力でくっつく」
という機能で、これを説明してました。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

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