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ikadoku

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大陸と海洋の起源

2020年06月26日
科学・生活 0

大陸と海洋の起源 (ブルーバックス)
満足度★★★
付箋数:21
あなたは、「パンゲア大陸」を
ご存知でしょうか?

パンゲア大陸とは、約2億5000万年前
にあったとされる超大陸。

ユーラシア、アフリカ、南北アメリカ、
オーストラリア、南極の諸大陸が
1つの塊であったとする大陸です。

これを想定したのが、ドイツの気象学者、
アルフレッド・ウェゲナーさんでした。

 「大西洋の両側の地質構造を比較
 すると、その両側がかつて直接
 あるいはほとんど直接にくっていて
 おり、その間に開けた巨大な割れ目
 が大西洋である、という大陸移動説
 の主張の明らかな証拠が得られる。
 (中略)大陸縁辺部にはっきりとした
 輪郭が存在するために、ほとんど
 一義的にもとの状態を復元する
 ことができ、ごまかしを使う必要が
 ない。したがって、これが大陸移動説
 の正しさを証明する独立な事実と
 なりうる。」

ウェゲナーさんは、大西洋をはさむ
大陸の海岸線の形が似ているという
事実に着目します。

そして単に形だけでなく、地盤を
つくる「地質」も連続していた
ことに気づきます。

そして生まれたのが、大胆な学説、
「大陸移動説」でした。

現在ではプレートテクトニクス理論
が一般的となったため、大陸移動説も
受け入れられるようになりましたが、
発表された時点では不評でした。

 「ウェゲナーは1930年に亡くなって
 いる。亡くなる前に出版した、
 この大陸移動説に関する最終版で
 彼が主張したことは、その本質に
 おいて正しかった。しかし歴史は
 屈折した道をたどった。
 ちょうどこの頃から、大陸移動説は
 不評になった。そして海底地質学や
 古地磁気学からの新しい証拠に
 よって1950年代のはじめによみがえる
 まで、大陸移動説は長い暗黒時代
 を経験しなければならなかった
 のである。」

なぜ、ウェゲナーさんの大陸移動説は、
当時、受け入れられなかったのか?

一番の理由は、プレートテクトニクス
のような、大陸を動かすような力が
知られていなかったから。

また、ウェゲナーさんが地質学者や
古生物学者ではなく、専門が気象学
だったことも不利に働きました。

しかし、ウェゲナーさんは各方面から
大陸が移動したという根拠を集め、
『大陸と海洋の起源』を改訂しながら
何度も出版しました。

本書は1929年に出版された、最終版
(第四版)の日本語訳です。

ちなみに、ウェゲナーさんは最終版の
発表後、さらなる証拠を集めるため
グリーンランドに探索に出ています。

その探索の地でウェゲナーさんは、
50歳になった日に笑顔で基地を
出発しましたが、それが最後で、
行方不明となりました。

遺体が発見されたのは、その翌年の
1931年5月12日のことでした。

本書を翻訳したのは、大陸移動説と
移動説以降の地球科学の進歩を
日本に伝えることに尽力していた、
故・竹内均博士です。

竹内さんは、科学雑誌「ニュートン」
の編集長や科学啓蒙書の著者として
広く知られた方でした。

本書は1975年に講談社から刊行された
古典的名著の復刻版です。

巻末には30ページ超の解説がつきます。

解説者は京大の人気教授で、火山研究
の第一人者でもある、鎌田浩毅さんです。

この解説だけでも読み応えがあります。

この本から何を活かすか?

以下、鎌田さんからの科学の古典を
読む際のコツです。

 「解説の最後に、本書のような科学の
 古典をできるだけ容易に読む方法を
 紹介したい。その第一 は “あとがき
 や解説から読む” である。
 すなわち、本文に取り組む前に、
 巻末の解説を読んで概要を把握する。」

私も本書を読む際にこの方法を
実践しています。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

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