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ikadoku

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ゲコノミクス 巨大市場を開拓せよ!

2020年06月23日
経済・行動経済学 0

ゲコノミクス 巨大市場を開拓せよ! (日本経済新聞出版)

満足度★★★
付箋数:24

「お酒飲めないの? 残念だな」

「一緒にお酒を飲めたら、
もっと楽しいのになあ~」

「飲まない分、たくさん食べてね」

あなたは、このような言葉をかけた
ことはありませんか?

あるいは逆に、これらの言葉を
かけられた経験はありませんか?

これらは、お酒が飲める人から
飲めない人によくかけられる言葉。

こういった声をかけられると、
飲めない人は心の中で謝っています。

「期待を裏切ってごめんなさい」と。

悪気があって声をかけているわけでは
ありませんが、飲めない人からすると、
ちょっと違和感を覚える言葉です。

飲む人と下戸(ゲコ)が理解し合えたら
社会はもっとハッピーになるのでは?

そして、ゲコの人向け市場が
開拓されたら、経済はもっと
良くなるのでは?

本書は、ゲコの社会的な立場の向上と、
それを経済の活性化に生かすことを
提言する本です。

著者は、レオス・キャピタルワークス
代表取締役の藤野英人さん。

藤野さんは、外見から酒豪に見られ
がちですが、実はゲコ。

ゲコであるため、これまで飲める人から、
様々な偏見を受けてきました。

藤野さんは、日本社会で、これまで
日影の存在だったゲコの人たちに
光を当て、新たなゲコ市場の開拓を
狙います。

本書のタイトルの「ゲコノミクス」
とは、その新たな市場を称した造語。

その市場の担い手となるのは、
お酒を飲めない・飲まない・飲みたく
ない「ゲコノミスト」たちです。

藤野さんはフェイスブックグループ
「ゲコノミスト(お酒を飲まない生き方
を楽しむ会)」を開設しています。

そこに寄せられたゲコノミストたちの、
気持ちを読み解きながら、飲む人
(ノミスト)と共生する道を探ります。

マイノリティと目されるゲコノミスト
ですが、厚生労働省のアンケート調査
によると、違った実態が見えてきます。

全体の中で、「飲まない(飲めない)人」
は37.8%。
「ほとんど飲まない人」は15.6%。
「やめた人」は2.0%。

これらを合計すると55.4%にもなります。

実は日本人の半分以上は、ゲコノミスト
だったのです。

では、なぜゲコノミストはマイノリティ
扱いされているのでしょうか?

それは「飲みニケーション」を前提に
してきた日本社会の背景があります。

藤野さんは、飲むのが当たり前という
同調圧力のため、「本当はゲコノミスト
なのに、飲めるふりをする人」が多いと
指摘しています。

これまで、飲めるふりをすることは、
必要な処世術の1つでした。

しかし、新型コロナウィルスの影響を
受けた「アフター・コロナ」または、
「ウィズ・コロナ」の世界では、
世の中も大きく変わろうとしています。

飲食店はこれまでのようにノミスト
だけにターゲットを絞っているのでは、
生き残っていけません。

ゲコノミクスの経済効果は3000億円以上
あると試算されています。

飲食店や飲料メーカーは、今まで目を
向けてこなかったゲコノミストへの
サービスを充実させることが、
重要な生き残り戦略になります。

本書は、これまで虐げられてきた
ゲコノミストの鬱憤を晴らすのが半分、
経済活性化を真剣に考えるのが半分。

巻末には、糸井重里さんと藤野さんの
ゲコ×ゲコ特別対談も掲載されています。

この本から何を活かすか?

アメリカの特にミレニアル世代の間では
「Sober Curious(ソバー・キュリアス)」
を名乗る人が増えているようです。

Soberは「シラフ」、Curiousは「ものを
知りたがる/好奇心が強い」の意味。

これは飲まないことをポジティブに
捉えた、選択的なゲコを表しています。

海外でも、シラフでいよう、あるいは
シラフでいる時間を長くしようという
流れが強くなっているようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

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