活かす読書
ikadoku

ビジネス書・ベストセラー本・科学本を中心に13年以上、ひたすら本を紹介し続けるブログ。既に紹介した本は3700冊以上。

悪の脳科学

2020年04月30日
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悪の脳科学 (集英社新書)

満足度★★★
付箋数:19

あなたの心には、「スキマ」が
ありませんか?

普段は、それほど大きくなくても、
何かちょっとしたトラブルがあると、
私たちの「心のスキマ」は大きく
開いてしまいます。

そんなときに、突然声を掛けられます。

「ココロのスキマ…お埋めします」

ご存知、『笑ゥせぇるすまん』の
喪黒福造の名刺に書かれたコピーです。

彼は藤子不二雄Aさんが生み出した、
日本屈指のブラックなキャラクター。

喪黒福造が最初に登場してから、
既に半世紀以上が経過しています。

しかし、当時、喪黒福造によって、
闇に突き落とされた、犠牲者たちは、
今の私たちにとっても全然他人事とは
思えないように感じます。

本書は中野信子さんが、脳科学の
視点から『笑ゥせぇるすまん』と
喪黒福造に解説を加えた本です。

『笑ゥせぇるすまん』はアニメ化
されていますから、アニメで見た方も
多いことでしょう。

念の為、『笑ゥせぇるすまん』の
ストーリーの基本パターン例を
紹介しておきます。

中公文庫コミック版第3巻SALE44の
「長距離通勤」は次のような話です。

片道4時間もかけて通勤してるため、
いつも会社の飲み会を断っていた
サラリーマンがいました。

ほとほと長距離通勤に疲れている
ところに、喪黒福造は現れます。

 「ここを自由に使ってください」

喪黒福造は、そのサラリーマンに
会社まで歩いて3分のところに
マンションを無料で提供します。

しかも、洗濯などの身の回りの
世話をする女性まで付けて。

ここで、さほど難しく思えない
条件を1つだけつけます。

 「ウィークデーはここから会社へ
 通えばいいでしょう。ただし…
 週末は必ずお宅へ帰ること!
 日曜、祭日はここに来ることは
 一切許されません!
 もし、あなたがこの約束を
 破ったらとんでもないことに
 なりますからね!」

ターゲットとなったサラリーマンは
当然この魅力的なオファーを
受け入れます。

しかし、マンションを使うように
なった最初の祝日前、上司に
次のように言ってしまします。

 「実は会社に近いところに部屋を
 借りたんです。課長、これからは
 夜のおつき合いも大丈夫ですから
 バンバンお供します!」

案の定、サラリーマンは朝6時まで
ハシゴ酒をして、喪黒福造との
約束を破りマンションに行って
しまいます。

部屋には喪黒福造が待っていました。

 「あなたは約束を破りましたね!
 約束を破ったらどうなるか?
 思い知ってもらいましょう
 ドーン!」

脳科学的に見ると、喪黒福造との
約束が守れないのは当然のようです。

私たちは情動によって、守らなければ
ならないルールさえも破ってしまう
生きものなのです。

更に人間は「やってはいけない」と
禁じられている行為ほど、気になって
手を伸ばしてしまう心のメカニズムを
持っています。

本書では、『笑ゥせぇるすまん』の
ストーリーを振り返りながら、
人間の脳の働きや心理を学びます。

巻末には藤子不二雄Aさんと中野さん
の対談も掲載されています。

この本から何を活かすか?

「騙されやすい人」と「騙されにくい人」
の違いはどこにあるのか?

中野さんは、「騙されやすい人」に
決定的に欠けているのは「メタ認知」
の能力だと指摘しています。

これは自分を俯瞰して見る能力で、
自分自身を客観視する脳の機能です。

この能力は「日記をつける」ことで
鍛えることができるようです。

ポイントは、その日記を後日見直し、
自分の心の動きを把握することです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

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