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ikadoku

ビジネス書・ベストセラー本・科学本を中心に13年以上、ひたすら本を紹介し続けるブログ。既に紹介した本は3700冊以上。

ドラえもんを本気でつくる

2020年04月02日
科学・生活 0

ドラえもんを本気でつくる (PHP新書)

満足度★★★
付箋数:24

  「私の夢は、ドラえもんをつくる
  ことです。この言葉を聞いて、
  どう思われるでしょうか。
  あまりに突拍子もないことに、
  笑ってしまったでしょうか。
  もしそうだとしても、当然のことです。
   “そんなの無理に決まっている” と、
  反感をもたれるでしょう。
  それもまた、当然のことです。
  実際に私がこの夢を語ると、
  多くの人は鼻で笑います。
   “ドラえもん・・・ですか” と。」

本書は、「みんなとドラえもんをつくる」
ことを決意した、新進気鋭の研究者が
人とロボットの未来論を語った本。

その新進気鋭の研究者とは、現在、
慶應義塾大学大学院博士課程に在籍中
の大澤正彦さんです。

実際に、ドラえもんにはタイムマシンや
四次元ポケットなど、現在の科学力では
難しい技術が多く登場します。

しかし、ドラえもん本体を含め、
それをつくろうとすることが、
AI開発をいい方向に導くことは
間違いありません。

目指すのは、社会的承認で定義された
ドラえもんをつくること。

  「いつでも自分に寄り添ってくれて、
  自分を助けてくれるドラえもんが
  いたら、 “ぼく、タイムマシンで
  やってきたんじゃなくて、あの工場で
  つくられたんだけど、それでもいい?” 
  と言われれば、許してくれる人も多い
  のではないか、と予想しています。」

このように、すべての機能を持つ
完璧なドラえもんを目指しているわけ
ではありません。

一部の機能だけしか持っていませんが、
「それって、ドラえもんじゃない?」
と世間が認めてくれるものをつくることが
とりあえずのゴールです。

その実現に向けて使われるのが、
「HAI」と呼ばれる技術。

これはヒューマン・エージェント・
インタラクションという研究分野です。

ディープラーニングは、人と関わるのが
苦手ですが、HAIは逆に人と深く関わる
ための技術です。

ロボットが人間と友だちになることを
目指すので、まさにドラえもん開発の
肝になります。

そこで、大澤さんのドラえもんづくり
のロードマップの中で、重要な役割を
担うのが、「ミニドラ」です。

ミニドラとは、ドラえもんの中で
登場する、小さなロボット。

ドラえもんのミニサイズ版ロボットで、
「ドララ」「ドラドラ」「ドラ~」と
いった非自然言語しか話せません。

しかし、わずかな表現しか持たないのに、
他のキャラクターとコミュニケーションが
とれることに大澤さんは注目しました。

  「AI分野では、いかに正確に自然言語を
  読み取るかという研究が盛んです。
  ディープラーニングを使って、大量の
  言語データを読み込ませて、言語を
  読み取る精度が競われています。
  しかし、むしろ逆のアプローチをした
  ほうが、人間の本当のコミュニケーション
  に近づくのではないかというのが、
  私の考えでした。」

また、大澤さたちが開発するミニドラは
顔がのっぺらぼうです。

実は、外見的な表情がない方が、
コミュニケーションを取った人間側が、
自由に表情をイメージすることが
できるようです。

大澤さんの研究では、他の研究者とは、
まったく違うアプローチが取られていて、
非常に興味深く感じました。

この本から何を活かすか?

人間は、ロボットに期待していた機能が
期待値より下まわっていると、
コミュニケーションを取らなくなる
傾向があるようです。

ロボットが「うまく話せるだろう」と
思って話しかけても、あまりうまく
しゃべれないと、落胆してしまうのです。

その人間の期待値をうまくコントロール
することも、実はロボットづくりでは
大切なようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

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