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読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。

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ゆらぐ脳

ゆらぐ脳
ゆらぐ脳
(2008/08/07)
池谷 裕二 木村 俊介 商品詳細を見る

満足度★★★★

海馬の研究で有名な池谷裕二さんに対し、ライターの木村俊介さんが
最新の成果や仕事について、インタビューしてまとめた本です。

池谷さん自身は、「仕事上のボヤきを並べた」と、
あとがきで述べていますが、木村さんのインタビューの仕方も、
池谷さんの説明の分かりやすさも、さすがと思わせる内容です。

  「科学者のサバイバルのためには、プレゼンテーション能力が絶対に必要」

と言うだけあって、難しい研究内容でも、
中学生でも理解できるように説明されています。

また、脳の「ゆらぎ」の研究自体も大変興味深いものですが、
池谷さんの仕事への考え方は、科学者でない一般の読者でも、
参考になる言葉が並んでいます。

  ・「研究はやりすぎるくらいでなければ成功しない」

  ・膨大な研究データが得られた後、役に立つのは
   「どれだけ専門分野以外の勉強をしたことがあるか」

  ・「合理主義は非効率的。一見、ムダに見えるものこそ大切」

  ・「貴重なデータであればあるほど、世界中のサイエンティストに
   開かなければならない」

単に、科学者としての理想的な世界を語るのではなく、
現実として研究を続ける上で直面する問題などについても、
率直に語っていますから、本音トークという意味でも、
池谷さんの言葉が、読者に届きやすくなっているのかもしれません。

また、本書には、日経新聞夕刊に掲載された池谷さんのコラムが、
「ミニ質問」コーナーとして、23本ほど抜粋されて載っています。

ここだけ読んでも、好奇心を刺激する十分な内容です。

この本から何を活かすか?

池谷さんの研究室の前教授、齋藤洋さんが、
「スンクスの嘔吐」を発見するエピソードが紹介されていました。

「吐く」という機能は、ごく限られた動物しか持たず、
実験動物がいないため、臨床医学の研究が遅れていたそうです。

スンクスとはモグラの一種で、もともと肝硬変の研究で、
この研究室では実験動物として使用していました。

実験の準備は学生たちが行い、アルコールを投与するのですが、
スンクスは毎回、「ウゲッ」と嘔吐をしていたそうです。

しかし、この嘔吐をヘンだと思う学生は1人もいなかった。

ある時、人手が足りなく、
教授自身がアルコール投与を手伝い、驚きます。

「スンクスが吐くじゃないか!」

「え、それは、そうですけど、それが何か?」

ここで、これが大発見だと気づく訳ですが、
同じ現象を事前に何度も目撃していた学生たちは、
それを事実として知っているだけで、発見にはならなかった。

このエピソードは、背景的な知識を持っていたかどうかの違いですが、
知識でなくとも、持っている「視点」や「意識」の違いでも、
同じような差が出てきそうですね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.   

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