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ikadoku

ビジネス書・ベストセラー本・科学本を中心に13年以上、ひたすら本を紹介し続けるブログ。既に紹介した本は3700冊以上。

ファクトに基づき、普遍を見出す 世界の正しい捉え方

2020年03月10日
問題解決・ロジカルシンキング・思考法 0

ファクトに基づき、普遍を見出す 世界の正しい捉え方

満足度★★★★
付箋数:27

  「 “フェイク” と言えば、アメリカ
  大統領選に大きな影響を与えたような
  海外のフェイクニュースのイメージが
  強いかもしれないが、いつの間にか
  日本でもフェイクが横行するように
  なってしまった。誰もが情報の発信者
  となり、その情報が瞬時に拡散される
  インターネットの影響も多分にある
  と思うが、新聞やテレビといった
  オールドメディアでも、事実を意図的
  に歪曲した印象操作や、エビデンス
  (証拠)に乏しいニュースの垂れ流し
  が行われている。」

本書は、高橋洋一さんが世間にはびこる
フェイクをぶった切り、ファクトに
基づいた正しい見方を解説する本です。

最近のフェイクといえば、コロナウィルス
蔓延にまつわる、トイレットペーパー
買い占め騒動です。

このような騒動を見ていると、本当に
ファクトを確認せずに、踊らされる人が
多いことに唖然としてしまいます。

さて、本書で高橋さんが最初に指摘
するのは、「老後2000万円不足」問題。

この情報は、フェイクではありませんが、
数字の読み方には注意が必要です。

自分は2000万円に足りないという人が
過剰反応し、マスコミもそれを煽る
ことで、情報を流した側の意図した
通りにことが運びました。

  「重要なのは、公的年金について
   “不足している”  “ひょっとしたら
  制度は破綻しているかもしれない” 
  と誤解することが、財務省にとっては
  たいへん好都合であるという側面だ。
  言うまでもなく、 “年金充実のため
  にも消費税増税が必要” と主張
  しやすくなるからである。」

それまで野党は、2019年10月の
消費税増税には大反対していました。

しかし、野党は財務省の描いたシナリオ
を読み取れず、2000万円不足問題を
争点としてしまいました。

そのため、消費税増税という本筋を
攻めることができませんでした。

この問題には、さらに別のフェイクが
関連しています。

それは、「年金は福祉」というフェイク。

年金は社会福祉であり、「今は原資が
不十分な状態である」というフェイクが、
広まっています。

やはりこのフェイクも広がると、
社会福祉は税金で賄うものだから、
消費税増税で賄うしかないという
「俗論」がまかり通ってしまいます。

しかし、本来、年金は福祉ではなく、
「保険」です。

年金制度は、長生きするリスクに備えて、
早逝した人の保険料を長生きした人に
渡して補償する保険。

これは厳格な保険数理に基づいて、
運用されています。

言い換えると、年金は、平均年齢より
前に死んだ人は掛け損で、長く生きた人
にとっては得をする仕組み。

世間では、「年金制度の破綻」が喧伝
されていますが、人口動態を予測すれば、
破綻することはない制度です。

年金は保険なので本来は、税金ではなく
徴収する保険料で調整すべきです。

しかし、年金保険料は労使折半のため、
保険料アップで賄うと、企業の負担が
増えてしまいます。

そのため経済界としても、消費税として
広く社会一般に負担を押し付けた方が
マシと判断しているのです。

本書の高橋さんのファクトに基づく解説
を読んでいると、本当に多くのフェイクが
マスコミによって広められ、情報操作を
されていることがよくわかります。

この本から何を活かすか?

では、フェイクに惑わされないためには、
どうしたらいいのでしょうか?

それは、自らファクトを見極め、
真実を見出す力を磨くことです。

そのための高橋さんのアドバイスが、
「川を上り、海を渡れ」です。

「川を上る」というのは、歴史を遡って
過去の経緯を調べるということ。

「海を渡れ」というのは、海外の事例を
調べるということです。

この2つを併せると、時間的広がりと、
空間的広がりの両方を持った、
強い論考をすることが可能になります。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

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