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ikadoku

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クリーンミート 培養肉が世界を変える

2020年02月17日
科学・生活 0

クリーンミート 培養肉が世界を変える

満足度★★★
付箋数:24

動物の肉や魚介類などを食べない、
ベジタリアン。

それをもっと厳格にして、卵や乳製品
など動物性食品すら食べない人は
ヴィーガンと呼ばれます。

ベジタリアンやヴィーガンは人口の
5%程度いると言われています。

ではなぜ、ベジタリアンやヴィーガンは
肉を食べないのでしょうか?

理由はいくつかあります。

1つは、宗教上の理由から。

最も有名なのはヒンドゥー教です。

ヒンドゥー教では、牛を聖なる獣と
考えているので、絶対に口にしません。

その他に、倫理的な理由から肉を口に
しない人たちもいます。

これは人間を殺さないのと同様に、
動物も殺してはいけないという、
動物保護の考えです。

そして、環境保護の観点から考えて
肉を食べない人たちもいます。

畜産業による食肉の生産は、
タンパク質を得る目的では効率が悪い。

そのため、地球温暖化などの環境に
悪影響を与えていると考えている人が
ベジタリアンになります。

宗教上の理由はさておき、動物保護と
環境保護の問題は、「細胞農業」に
よって解決することができます。

細胞農業とは、これまで動物や植物
から収穫してきた産物を、特定の
細胞を培養することで生産する方法。

バイオメディカル領域の技術を使った
手法です。

本書は、細胞農業によって作られる肉、
「クリーンミート」によって起業する
人々を描いたノンフィクション。

クリーンミートは、ベジタリアンの
問題を解決するだけではありません。

家畜によるウィルスや伝染病の拡大、
パンデミックを防ぐことができます。

  「クリーンミートはSFの産物ではない。
  本書にあるように、2013年には
  世界初の培養肉ハンバーグがつくられ、
  人間の口に入っている。」

クリーンミートは、以前からある
大豆や玄米などの植物性の材料から
作ったで擬似肉(フェイクミート)
とは異なります。

クリーンミートは、動物の細胞から
人工培養によってつくられるので、
成長ホルモン、農薬、大腸菌、
食品添加物に汚染されていません。

この技術には、ビル・ゲイツさん、
ジャック・ウェルチさん、エリック・
シュミットさんなどのビジネス界の
大物も注目しています。

特にグーグルの共同創設者の
サーゲイ・ブリンさんは資金面で
大きな支援をしています。

その援助を受け、クリーンミートは、
商業化できるレベルまで、進歩しつつ
あります。

本書では、クリーンミートによって
スタートアップしようとする人たちを
生き生きと描き出しています。

原題は、「Clean Meat: How Growing
Meat Without Animals Will
Revolutionize Dinner and the World


著者は、クリーンミートを人類として
最初に食べた、ポール・シャピロさん。

動物愛護の活動家で、TEDxなどでも
講演をしている方です。

まだまだ、クリーンミートが一般に
普及するには時間がかかりそうですが、
その創成期を入念な取材を重ねて
描いています。

登場人物が、非常に多い本なので、
訳者の鈴木素子さんが、巻末に参照用
として登場人物と組織をまとめて
くれているのが、地味に有り難い。

この本から何を活かすか?

クリーンミートが商業化されるまで
には、いくつかの壁があります。

1つは、コストの問題です。

これは、今後の技術革新によって、
解決することが望まれています。

これより、大きな壁となるが人々の
クリーンミートに対する認識の問題
でしょう。

遺伝子組み換え食品もそうですが、
「培養肉」というイメージが、
多くの消費者に受け入れられるには、
時間がかかりそうです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

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