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ikadoku

ビジネス書・ベストセラー本・科学本を中心に13年以上、ひたすら本を紹介し続けるブログ。既に紹介した本は3700冊以上。

21 Lessons: 21世紀の人類のための21の思考

2020年01月31日
社会・国家・国際情勢 0

21 Lessons: 21世紀の人類のための21の思考

満足度★★★★
付箋数:29

人間は、よくわからないものに
「不安」や「恐怖」の感情を抱きます。

かつては、地震や洪水、飢饉などの
自然現象に対して、人類は知識が
ほとんどありませんでした。

そのため、自然現象の恐怖から逃れる
ために行ったのは、祈祷でした。

現代では、自然現象のわからない
恐怖から脱することで、合理的な
対応策が取られるようになりました。

その一方で、私たちは新たな見えない
恐怖に直面しています。

それは人類が高度に発達したからこそ
逆に見えなくなってしまったこと。

大量の情報が溢れかえり、何が真実かが
見えなくなってしましました。

更には、世の中のグローバル化や、
ITとバイオテクノロジーの発展によって、
私たちはこれまでにない難題を
突きつけられています。

新たな見えない時代において、
私たちはどう生きるべきなのか?

本書は、そんな壮大な問に答える一冊。

  「私は歴史学者なので、人々に食べ物
  や着る物を与えることはできないけれど、
  それなりの明確さを提供するよう努め、
  それによって世の中を公平にする
  手助けをすることはできる。
  それに力を得て、私たち人間という
  種の将来をめぐる議論に加わる人が、
  たとえわずかでも増えたなら、
  私は自分の責務を果たせたことになる。」

本書は、21世紀の「知の巨人」として
認められる、イスラエルの歴史学者、
ユヴァル・ノア・ハラリさんの最新作。

世界中で大ベストセラーになった
サピエンス全史』では、人間の過去を
見渡し、ヒトが地球の支配者となった
過程を明らかにしました。

次作『ホモ・デウス』では未来を描き、
人間がいずれ神になる可能性や、
知識と意識の行く末について論じ、
世界に衝撃を与えました。

今回、ハラリさんが考察したのは、
人類が直面する「現在」についてです。

  「本書では、 “今、ここ” にズームイン
  したいと思っている。かといって、
  長期的な視点も失いたくない。
  遠い過去や未来についての見識は、
  現在の問題や、人間社会が抱える
  差し迫ったジレンマを理解する上で、
  どう役に立つのか?
  現時点で、何が起こっているのか?
  今日の重大な課題や選択は何か?
  私たちは何に注意を向けるべきか?
  子どもたちに何を教えるべきか?」

ハラリさんは、本書で21の重要課題を
取り上げ、私たちの思考を導き、
見えない恐怖や不安から解き放ちます。

取り上げられるのは、次の21テーマです。

 幻滅/雇用/自由/平等/コミュニティ
 /文明/ナショナリズム/宗教/移民/
 テロ/戦争/謙虚さ/神/世俗主義/
 無知/正義/ポスト・トゥルース/SF
 /教育/意味/瞑想

1つのテーマで1冊づつ本が書けるほど
広いトピックを扱っています。

しかし、異なるように見えるテーマが
根本的には実はつながっていて、
それぞれを考察することで、私たちが
どのように思考して、どう行動すべき
かが、少しずつ見えてきます。

人類の知を進化させるとまで言うと
ちょっと大げさかもしれませんが、
それだけ内容のある本です。

今回もベストセラーになることは、
間違いない、世界が待望していた一冊。

サピエンス全史』『ホモ・デウス
に続き、本書も柴田裕之さんが翻訳を
担当しているので、安心して読めます。

この本から何を活かすか?

個人的に興味深かったのは、
他の壮大なテーマと同列に
「SF」について語られていた点です。

  「21世紀初頭における最も重要な
  芸術のジャンルは、SFかもしれない。」

テクノロジーの未来についての論文を
読む人は少なくても、SF作品を通じて
未来をイメージする人は多い。

そのためハラリさんは、SFが未来を
どう描くかは大きな責任を負っている
と指摘しています。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

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