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星野佳路と考えるファミリービジネスの教科書


星野佳路と考えるファミリービジネスの教科書

満足度★★★★
付箋数:27

日本の上場企業1367社の過去の業績で、
次のうち、誰が経営した会社の成長が
最も高かったか?

 a. 創業者
 b. 創業者の実の息子、娘
 c. 創業者の娘、息子の配偶者
 d. サラリーマン経営者

最も成長したのは、aの創業者。

創業で失敗するリスクは高いものの、
ゼロから立ち上げた会社の成長力は
高いものです。

この答えは納得感がありますが、
この問いの肝は、「2番が誰か?」
にあります。

2番は、cの創業者の娘、息子の配偶者。

ほとんどが、娘婿のパターンです。

このクイズは、星野リゾート代表の
星野佳路さんが講演会を行うときに、
つかみとして出すクイズです。

選択肢a・b・cの3つはほとんどの場合、
経営の形態が「同族経営」です。

では、同族経営と非同族経営では、
どちらの経営の業績が良いのか?

実は業績が良いのは、「同族経営」。

かつては、研究の対象にさえなって
いなかった同族経営でしたが、
近年の研究によりその優位性が、
数字でも示されるようになりました。

同族経営という言葉を本書では、
ファミリービジネスと呼びます。

  「1990年代から2000年代にかけて、
  ROE(株主資本利益率)、ROA
  (総資産利益率)といった資本効率
  や利益率、売上高成長率といった
  数値において、ファミリー企業の
  ほうが優れているという研究報告が、
  米国、イギリス、フランス、イタリア
  など世界各国で発表されました。」

では、なぜ同族企業の業績の方が
非同族企業より優れているのか?

その問いに答えるのが本書です。

本書は、星野佳路さんがライフワーク
として行っているファミリービジネス
の研究についてまとめた本です。

本というより、研究レポート。

日本では、ファミリービジネスの
研究が欧米に比べて進んでいないので、
貴重な文献になっています。

ファミリービジネスが強い理由は、
「30年に1度のビジネスモデル
自動転換システムがビルトイン
されている」ことにあります。

非ファミリー企業では、別に株主が
いるので、重視されるのはの安定性。

そのため経営トップの継承は、
まだ経験の少ない30代などへの
大幅な若返りが難しいのが実態です。

しかし、ファミリー企業の場合は、
好むと好まざると、親から子へ
政権が渡ったときに、突然30歳も
若返りが起こります。

前任者とは、世代も違いますし、
価値観も大きく異なります。

これがビジネスモデルの自動転換
システムです。

星野さんは、ファミリービジネスは、
「立ち上げリスクが軽減された
ベンチャービジネスだ」とも言います。

本書は、星野さんの研究プロセスを
たどり、そこで得られた知見を一冊の
本としてまとめたもの。

研究アシスタント兼記録者として
書籍としてまとめたのは、
日経トップリーダー副編集長の
小野田鶴さんです。

星野さんが、ライフワークとして
取り組んでいるだけあって、
非常に中身の濃い本になっています。

対談形式のケーススタディも豊富に
掲載され、読み応えがあります。

ファミリービジネスの教科書と
銘打っている通り、同族企業の経営者は
必読の本だと思います。

この本から何を活かすか?

  「 “ファミリービジネスは駅伝
  である” というのが、私の持論です。
  タスキを受け取る側の覚悟も
  大事ですが、それと同じぐらい
  タスキを渡す側に準備と覚悟が
  必要です。」

同族経営では、一般的に継ぐ側に
注目が集まりがちです。

しかし、星野さんは継がせる親側の
覚悟や勉強が足りないことに言及
しています。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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| 経営・戦略 | 07:07 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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