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ikadoku

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若い読者に贈る美しい生物学講義 感動する生命のはなし

2020年01月10日
科学・生活 0

若い読者に贈る美しい生物学講義 感動する生命のはなし

満足度★★★★★
付箋数:28

なんで、今までこの著者の本に
巡り合わなかったのだろう。

本書を読みはじめて、すぐに過去の
自分のブログを確認しました。

すると、実は忘れていただけで、
2016年10月19日に『爆発的進化論
を紹介していました。

そうか、確かにその本も面白かった。

残念ながらその時は、更科功さんの
名前までは記憶に残っていませんでした。

しかし、今回はしっかり覚えました。

今後、更科さんの本が刊行されたら、
私は間違いなく読むでしょう。

そう確信するぐらい、本書は面白かった。

私は、学生時代に生化学を専攻して
いたので、これまで生物学系の本も
それなりに読んできました。

しかし、その中でも本書はダントツに
面白い本の一冊でした。

  「きっと、どんなことにも美しさ
  はある。そして美しさを見つけ
  られれば、そのことに興味を持つ
  ようになり、その人が見る世界は
  前より美しくなるはずだ。
  きっと生物学だって、(もちろん
  他の分野だって)美しい学問だ。
  そして、この本は生物学の本だ。
  もしも、この本を読んでいるあいだ
  だけでも(できれば読んだあとも)、
  生物学を美しいと思い、生物学に
  興味を持ち、そしてあなたの人生が
  ほんの少しでも豊かになれば、
  それに勝る喜びはない。」

何を持って「美しい」と感じるかは
人それぞれです。

正直、美しさという点では、
同じ生物系の著者では、福岡伸一さん
の本の方が美しさを感じる方が多い
かもしれません。

しかし、ユーモアある饒舌な語り口と、
同じことでも興味深く、わかりやすく
伝える点においては、更科さんの
右に出る方は少ないように思います。

  「私は、人に誇れるような人生では
  ないにせよ、そこそこ楽し人生は
  送ってきた(まだ終わってはいない
  けれど)。その楽しさの一部を私に
  与えてくれたのが生物学だった。
  だから、もしも読者が、少しでも
  生物学が面白いと思ってくれれば、
  それだけでこの本を書いた甲斐がある。
  生物学に関係がある生活をしていても、
  していなくても、生物学を面白いと
  思うことは、きっとあなたの人生を
  豊かにしてくれる。」

私が感じた本書のすごいところは、
「脱線」の絶妙さです。

生物学の本といいつつ、生物学以外の
話題から入り、でもそれがちゃんと
生物学の話につながっていく。

ですから、正確には導入であって、
脱線とは言えないかもしれません。

しかし、それだけ話題が豊富で、
世の中の多くのことが、生物学的な
視点から見られるようになります。

  「地球は生物がすんでいる惑星だが、
  地球そのものは生物ではない。
  でも、地球を生物だと考えた人は、
  昔からたくさんいた。
  どうやら地球は、生物に似ている
  らしい。では、地球のどこが生物に
  似ているのだろう?
  五百年ほど前のイタリアに住んでいた
  レオナルド・ダ・ヴィンチも、
  地球を生物(あるいは生物に限りなく
  近いもの)と考えていた一人だ。」

第1章は「モナ・リザ」が描かれた
秘密から始まります。

短時間で、サーッと読もうと思う方は
諦めた方がいいかもしれません。

ついつい文章に引き込まれて、
途中でやめられなくて、結局全部
読んでしまうことになります。

この本から何を活かすか?

  「iPS細胞は夢のような細胞だ。
  それでは、不老不死の夢を託すことは
  できるのだろうか。ひょっとしたら
  体については、古くなった器官を
  新しい器官に置き換えたりして、
  不老不死が実現できるかもしれない。
  でも、問題は脳だ。」

確かに、脳が置き換わって別人に
なってしまっては意味がありません。

iPS細胞と脳に関するこの辺の話は、
アルジャーノンではないけれど、
小説にしても面白そうなテーマですね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

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