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大前研一 日本の論点2020~21

2019年12月19日
社会・国家・国際情勢 0

大前研一 日本の論点2020~21

満足度★★★
付箋数:24

  「本書『日本の論点』はプレジデント誌
  で連載している “日本のカラクリ” の
  1年間のストックをベースにして、
  反響の大きかった稿を中心にピックアップ
  し、加筆修正して取りまとめている。
  必ずしも最新の状況を反映して書き直して
  いない。書いた時点での起承転結を重視
  しているからだ。」

大前研一さんが執筆するこのシリーズも
2012年から数えて、今年で7年目となります。

今回のテーマは「アホな指導者の下で
どう生き抜くか」ということ。

  「21世紀初頭の20年が過ぎようと
  している。世紀の節目にあって、
  世界を俯瞰して改めて感じるのは、
  民主主義の危機的状況だ。
  ありていに言うなら、 “アホ” が支配
  する世界になったということである。
   “我々のリーダーはしっかりしている” 
  と国民が胸を張って言える国はどれだけ
  あるだろうか。」

大前さんが「アホな指導者」と言っている
のは日本のことだけではありません。

今回、その筆頭として挙げられているのは、
イギリスのジョンソン首相です。

2016年6月に国民投票で可決された、
イギリスのEU(欧州連合)離脱。

しかしその後、離脱協定案が否決され、
イギリスは合意なき離脱のリスクに
さらされています。

出口の見えないブレクジット問題の中で、
2019年7月に選任されたのが、
前ロンドン市長で離脱派の急先鋒だった
ボリス・ジョンソン首相でした。

ジョンソンさんは、新たな離脱協定を
EUと結ぶべく、再交渉に挑みましたが、
あっけなく突き返されました。

それでもジョンソンさんは、合意なき離脱
も辞さないとの姿勢を崩していないため、
イギリスでは危機感が高まっています。

このブレクジット問題に関して、
大前さんの次のように結論づけています。

  「イギリスのEU離脱交渉は出口の
  見えない状況が続く。EU離脱を煽った
  国内世論も沈静化に向かっている今、
  最良の策は離脱について再国民投票を
  行うことである。EU側も密かにそれを
  望んでいるはずだ。」

2016年の国民投票から3年経ち、
当時高校生だった層が選挙権を得ています。

特に若い層ほどEU残留にメリットを
感じているようですので、再国民投票が
実施できれば、残留の方向で固まる
可能性は高いでしょう。

国の指導者以外で、大前さんがアホだと
こき下ろしているのは、現代貨幣理論
(MMT)を提唱するニューヨーク州立大学の
ステファニー・ケルトン教授です。

  「財政赤字容認派が信奉している
  MMT理論は、 “低欲望社会” という
  日本の特殊性を理解していない空論
  である。現在60代~50代後半の
  バブル世代がリタイアするときが、
  日本が低欲望社会から脱却する
  きっかけになるかもしれない。」

低欲望社会とは、消費行動が極端に
萎縮した日本を指す、大前さんの造語です。

バブル崩壊後、日本は世界で唯一の
低欲望社会に陥ったとされています。

しかし、現在60代~50代後半の世代は
バブルを経験しているので、この世代が
リタイアすると、それまで世代とは違う
お金の使い方をすることが期待されています。

大前さんは、借金してでも遊ぶ、
借金を残して死んだ方が得だと思う人が
増える可能性があると見ています。

本書は、最近の大前さんの独自の視点が
まとて読める一冊です。

この本から何を活かすか?

大前さんは、かつてマッキンゼーで
日本人初の取締役会メンバーを務めました。

更に、その後世界で7人だけの執行常務会
委員の1人にもなりました。

なぜ、大前さんはマッキンゼー初の
日本人取締役になれたのか?

その理由は、学生時代のアルバイトの
経験があったからだといいます。

大前さんがやったのは通訳案内業。

  「わがままな高齢者からなる団体を
  率いて日本中を案内して回った。
  総勢2500人を文字通り日本のあらゆる
  ところを案内した。この6年間にも経験が
  リーダーシップ、EQ、説得力などに
  つながり、社会に出てから大いに役立ち、
  グローバル企業に入ってからもこれが
  ものを言った。」

外国人旅行者が増えている今の日本は、
大前さんのようなスキルを培う
大きなチャンスが転がっています。

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この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

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