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ikadoku

ビジネス書・ベストセラー本・科学本を中心に13年以上、ひたすら本を紹介し続けるブログ。既に紹介した本は3700冊以上。

AIに負けない子どもを育てる

2019年12月02日
読書法・速読術 0

AIに負けない子どもを育てる

満足度★★★★
付箋数:26

30万部超のベストセラーになり、
世間に衝撃を与えた、新井紀子さんの
AI vs. 教科書が読めない子どもたち』。

もともとはAIを東京大学に合格させる
プロジェクトでしたが、その副産物
として、子どもたちに「読解力」が
不足している事実を明らかにしました。

そして、読解力を客観的に測定する
ために開発されたのが「RST」という
リーディングスキルテストでした。

RSTとは、基礎的・汎用的読解力、
リーディングスキルテストのことです。

このRSTに関して、大きく2つの声が
寄せられました。

1つは、RSTはオンライン受検のテスト
なので、実際の問題をもっと多く
見てみたい、やってみたいという声。

もう1つは、実際に子どもに読解力が
ないことに危機感を感じた学校が、
その対策を始めたという声です。

本書は、それらの声に答える続編です。

まず、1つ目にRSTを見てみたい、
やってみたいという声については、
本書に全28問の紙上「体験版」を
掲載しています。

例えば、次のような問題です。

  アミラーゼという酵素はグルコース
  がつながってできたデンプンを分解
  するが、同じグルコースからできて
  いても、形が違うセルロースは
  分解できない。

  この文脈において、以下の文中の
  空欄にあてはまる最も適当なものを
  選択肢のうちから1つ選びなさい。

  グルコースからできているのは、
  デンプンと(   )である。

   1. セルロース 2. アミラーゼ
   3. 酵素 4. 形

RSTは、事実について書かれた短文を
正確に読むスキルを測るように
設計されています。

具体的には、係り受け解析、照応解決、
同義文判定、推論、イメージ同定、
具体例同定の6分野の力を測ります。

本当のRSTはオンライン受検なので、
受検者の属性と能力に合わせて出題
されますが、紙上でも一定の体験が
できるのはありがたいですね。

そして、2つ目の声に対して、
新井さんは次のように警告します。

  RSTは練習しないでください。

  RSTの問題をドリルとして、毎日、
  子どもに解かせるような取り組みは、
  完全に間違っています。

なぜなら、RSTは視力検査のような
ものだからです。

「C」の記号、ランドル環を使った
検査は、視力を測定する方法として
広く採用されています。

しかし、視力を向上させるために、
ランドル環がどっちを向いているかを
練習することは無意味です。

それと同様に、RSTの問題そのものを
解く練習をたくさんしても、読解力は
向上しません。

では、読解力は向上させることは
できないのか?

そんなことは、まったくありません。

穴埋めプリントを卒業して、
読解力を培う授業を考えて行えば、
向上させることは可能です。

本書では、読解力を培うための
3つの紙上授業が掲載されています。

もちろん、子どもだけでなく、
大人の読解力にも問題があるので、
それも向上させることは可能です。

本書は、AIが苦手とする読解力を
人間が身につける方法を明らかに
する本です。

この本から何を活かすか?

  「RSTでは、速く読むことよりも、
  正確に読むことを重視している。
  実は、当初私は、正確に読むよりも
  速く読む読めたほうがよいのでは
  ないのかと思い込んでいた。」

キーワード拾って読んでしまうと、
係り受けなどを考慮しないので、
誤った文意を捉えてしまう危険性が
あります。

普段からゆっくりでも、正確に読む
ことを心掛けたいですね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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この記事を書いた人: ikadoku
毎朝4時に起きて本を読み、13年以上ブログで紹介記事を投稿しています。北海道在住。たまに旅行で長期の休みを取ります。

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