日経テクノロジー展望2020 世界を変える100の技術
日経テクノロジー展望2020 世界を変える100の技術
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日経BP 日経BP 2019年10月19日
満足度★★★
付箋数:24
第1位 AI(人工知能)
第2位 自動運転
第3位 5G(第5世代移動通信システム)
第4位 産業用ドローン
第5位 IoT(インタネット・オブ・シングス)
これは日経BP総研がビジネスパーソン
1000人以上を対象に行なった調査、
「2020年に期待するテクノロジー」の
ランキングです。
では、更に10年後の2030年にはどのような
テクノロジーが期待されているのか?
第1位 AI(人工知能)
第2位 自動運転
第3位 再生医療
第4位 量子コンピューター
第5位 生体埋め込み機器
1位と2位は変わりませんが、3位以下の
顔ぶれが大きく変わっています。
特に注目は、「量子コンピューター」。
従来型のコンピューターの処理速度が
限界に達しているとの見方もあるので、
それを打破するテクノロジーとして
期待されています。
これは一般のビジネスパーソンを対象に
行った調査ですが、果たして専門家は
どういった技術に注目しているのか?
「本書は “世界を変える” であろう
テクノロジーを百件選び、解説する。
まず、日経BPの専門メディアの
編集長三十人が将来有望と考える
テクノロジーを挙げた。
これを百件に絞り、 “体験が変わる”
など四テーマに分類し、専門メディア
の記者、編集委員が解説していく。」
例えば、一般の調査では「再生医療」
というざっくりとした括りでしたが、
それを支える技術に分けて解説します。
この分野では、以下の6つの技術が
紹介されています。
遺伝子治療、CAR-T治療、細胞医薬、
AAV遺伝子治療、プラスミドベクター
利用の遺伝子治療、再生誘導医薬品
はじめて聞くような技術もありますが、
そこは専門的になり過ぎない程度に、
写真等を交えて概要が示されています。
最初のページから順に読んでいっても
いいですし、新聞やニュースなどで
耳にした技術を辞書のように調べる
使い方でもいいと思います。
いずれにせよ、これだけの技術が
現在進行中で開発されていることを
知ると、本当にユートピアが実現する
のではないかと期待しそうになります。
それほど、テクノロジー進歩には、
明るい未来を感じ取ることができます。
実は、この『100の技術』は2017年から、
毎年刊行されているシリーズで、
今年で4年目、4冊目になります。
毎年、年末が近づくとその年を総括
する本が多く出版されますが、
本書はそういった季節モノの一冊と
考えることもできます。
また、年を追うごとに、注目される
技術がどう入れ替わっていくのか、
あるいは進捗はどうなっているのか
という経年の変化を比較する読み方も
可能です。
今回は、2020年の東京五輪を支える
10のテクノロジーが、ひとまとめで
紹介されているのが特徴的でした。
自由視点映像配信、空飛ぶクルマ、
テレイクジスタンス/ハプティクス、
セキュリティインテリジェンス、
IT警備、顔認証、フラクタル日よけ、
遮熱性舗装/保水性舗装、ゲノム編集、
遺伝子ドーピング対策
このシリーズはずいぶん好調なようで、
今年は『100のブルーオーシャン』、
『100のリスク』といったスピンオフの
ような本も日経BP社から出ているので、
そちらとも比べてみたいところです。
この本から何を活かすか?
私が注目しているのは次世代電池の技術。
どんなテクノロジーが開発されても、
バッテリー大きさや持ち、安全性が、
その実用化に大きく影響します。
今回は、リチウムイオン電池に代わる、
「超小型全固体電池」が紹介されていました。
リチウムイオンでは、内部に電解液を
入れていため、耐熱性に課題があり、
液漏れの危険性がありました。
全固体電池はそれらの問題を解決し、
悪環境でも利用でき、急速充電も可能
なため、実用化が期待されています。
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