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「死」とは何か イェール大学で23年連続の人気講義 完全翻訳版


「死」とは何か イェール大学で23年連続の人気講義 完全翻訳版

満足度★★★
付箋数:23

2018年10月に日本でも刊行されて、
大反響となったシェリー・ケーガンさんの
「死」とは何か』。

イェール大学でケーガンさんが23年以上
続けている、「死」についての講義を
書籍化したものでした。

しかし、一部講義がカットされていたため、
完全版の刊行を望む声がありました。

カットされていたのは、前半にあるはずの
形而上学のパート。

その要望に応える形で2019年7月に刊行
されたのが、本書、『完全翻訳版』です。

わかってはいましたが、超分厚い。
総ページ数は、750ページを超えています。

今回追加されたのは以下のチャプターです。

 ・二元論と物理主義(原書Chapter2)
 ・「魂」は存在するか?(原書Chapter3)
 ・デカルトの主張(原書chapter4)
 ・「魂の不滅性」についてのプラトン
  の見解(原書Chapter5)
 ・「人格の同一性」について(原書Chapter6)
 ・魂説、身体説、人格説―どの説を選ぶか?
  (原書Chapter7)

それ以外の講義は前年に刊行された縮約版
と同じ内容です。

  「最初に考察したい疑問は、死後も
  存在し続ける可能性にまつわるものだ。
   “死後の生” はあるのだろうか?
  あるとは断言できなくても、私が死んだ
  後も “私” というものが、なお存在する
  可能性ぐらいはあるのだろうか?
  この疑問に答えようと思えば、最低でも
  2つの基本的な点をはっきりさせておく
  必要がある。
  問題点1. “人間” とは何か
  問題点2. 私の死後に存在するものが
       “私” である根拠」

これは今回追加された「二元論と物理主義」
のパートの冒頭の部分です。

基本的に哲学の本なので、読むというより
考えるための本です。

ケーガンさんも本書の目的について、
次のように語っています。

  「大切なのは、みなさんが自ら考える
  ことだ。突き詰めれば、私がやろうと
  しているうちで最も重要なのは、
  死をしっかりと凝視し、私たちの
  ほとんどがけっしてしないような形で
  死と向き合い、死について考えるよう
  促すことだ。」

この目的に関しては、正直、私には
縮約版で十分だったかもしれません。

縮約版でも完全翻訳でも本書を読むと、
それまであまり意識していなかった
「死」について考えるようになります。

もちろん考えたからといって、
何かがわかったり結論がでたりする
ものではありません。

しかし、考えることで「人間」として
より深みを増すことは間違いありません。

そして、死について考えるからこそ、
生の部分がより意識されるように
なります。

  「どのような生き方をすべきか?
   “誰もがやがて死ぬ” ことがわかって
  いる以上、この問いについては
  慎重に考えなければなりません。
  どんな目的を設定するか、
  どのようにその目的の達成を目指すか、
  念には念を入れて決めることです。
  もし、死が本当に “一巻の終わり” 
  ならば、私たちは目を大きく
  見開いて、その事実に直面すべき
  でしょう。――自分が何者で、
  めいめいが与えられた “わずかな時間” 
  をどう使っているかを意識しながら。」

もともと講義形式なので、古典的な
哲学書を読むより、はるかに読みやすい
と思います。

ただし、哲学書に関してはわかりやすい
ことが、イコール良書とは限らない点は、
注意しなければなりません。

この本から何を活かすか?

古代から求められていた「永遠の生」。

しかし、もし本当に「永遠の生」が
手に入ると、そこに待っているのは
「永遠の退屈」です。

どんなに面白いことで、永遠に続くと
やがて飽きてしまいます。

だから「みないずれ死ぬ」ことは、
人が退屈しないための「恩恵」と
考えることができるようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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